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My Sankou Memo


 南アルプスの名峰
 塩見岳山頂に立つ









 山行日   2012年7月25日(水) 26日(木) 27日(金) 2泊3日
 山行先   塩見岳(山域 南アルプス 標高 3047m)
 天 候   3日とも晴天
 Member   金川 勝夫 和美

 7月25日(水)

 《行 程》

 三鷹(05:30)→中央高速調布IC=中央高速⇒二葉Service area(朝食休憩)=中央高速⇒松川IC(09:05)⇒鳥倉林道駐車場(10:30着・10:50発)⇒三伏峠登山口(11:35〜11:40)⇒1回目の休憩&昼食(12:40〜13:00)⇒水場(13:50)⇒鳥倉&塩川分岐(14:25)⇒三伏小屋(14:53・宿泊)

 ≪My Sankou Memo≫

 今年2012年の夏休山行は、乗鞍岳、木曾御岳、塩見岳等々と色々候補の山を挙げ、結局利便性から、南アルプスの塩見岳に決定したのだった。5時30分に三鷹の自宅をMyCarで出発し、早朝だけに車道は、全く空いており、速くも中央高速調布ICへ到着し、中央高速道に入った。この中央高速道もまだ6時前なので、余り車も走っておらずIC Recorderで中島みゆきの歌を聞きながら、ルンルンルンと快適に中央高速high wayを吹っ飛ばしてDriveを楽しむ。

 そんな空いている中央高速を約、1時間30分も走ったであろうか。朝食休憩を採るために二葉Service areaで、暫し休憩を採ることとした。そして朝食に鯖の味噌煮定食を注文して、これを食べたのであるが、正直、Service areaの食事はどこも余り美味しくないのだが、この鯖の味噌煮定食は、鯖がとても美味しく空腹を満足させるだけの味であった。そんな朝食を採りまた、中央高速を走る。やがて松川ICに到着し、ここで中央高速ともお別れで一般道へ入った。今まで中央高速道を走っていたので、狭い一般道を走ると感覚が違い慣れるまで、時間差調整をしなくてはならない。大鹿村を進み行くほどに道路は狭くなり、暗い隧道が何カ所も現れ、何だか、宮崎駿の「もののけ姫」の世界へThyme slipしたようだ。

 途中の村はずれで、ガソリンを給油し、係りの方に鳥倉林道の方角を確認し、また、車を走らせる。路は益々狭くなり、右側は山の断崖が続き、左側はスッパリと切れ込んだ斜面で、トホホホ、thrill満点の走行だ。それにしても和美のDrive technicは、大したものでこんな難路もなんなくこなし右に左にcurveを切りながら、走っていくが、聊か私はcurveを切られるので気持ちが悪くなってきた。

 やがてそんなcurveが続く難路も終わり、車窓からは真夏の真っ青な空が見え
一団と視界が開け、程なく鳥倉林道の終点である駐車場に着いた。見ると駐車場にはもう、30台
ぐらいの車が止まっており、徐行しながら駐車Spaceを探し、車を止め山支度を整えバッシとほっぺたを叩き、「イザや行かん塩見岳へ」と意気揚々と二人林道を歩き行く。林道を少し歩いて行くと車の通行をstopするため、林道にgateが敷設されており、gateの脇を通って広い林道を進んで行く。歩くほどに林道は坂道となって勾配も結構きつく、本格的な登山前のTrainingには良いのかも知れないな。陽射しは強いのだが、湿度が低くまた、吹く風も実にヒンヤリとしていて心地よく、歩いていてもそんなに暑くないのが助かる。左の山の斜面は、高く落石防止のため、コンクリートで固められその高度な技実力に感心させられた。

 そんな林道を40分も歩いただろうか。やっと三伏峠への登山口に達した。Bus停の表示を見るとBusは1日2便は登山口まで入っているようだ。小休止をして、いよいよ本格的な登山開始となる。登山Rootは唐松林から始まる。広々とした明るい樹林で、所々にマルバダケブキの群生が見られる。ジクザクの登山道をゆっくりと歩を進めて行くが、どうも右アキレス腱が、痛くこの先が心配となる。30分も歩いただろうか。コルの広場に出たので、ここで二葉Service areaで買ったオニギリを昼食で食べる。生命のある限りその息吹の喜びを主張するかのように盛んに蝉が、「ジージッジジジ」と鳴いており、「静かさや 山にしみいる 蝉の声」宜しく、それだけに余計に静かなる深山ということが強調される。

 昼食を済ませまた、歩を進めて行く。歩き始めたときには、右アキレス腱が痛かったのであるが、登ることにより、アキレス腱のstretchが効いて、痛みも無く快適に歩を進めることが出来た。二人黙々と静寂なる尾根道を淡々と歩を進めて行く。登山道はいつしか塩川方面に開けた山腹道になっている。樹林も唐松林からシラビソ林になる。進み行くと所々に木製の桟橋やはしごで安全が確保されており、実に快適に登山が出来るのが嬉しい限りだ。樹林には花が乏しいが、マルバダケブキ、サラシナショウマ、ミヤマキリンソウ、ヒヨドリバナ、ホタルブクロなどが見かけられる。徐々に高度を増す登山道を歩いて行くと水が流れる音がして、お目当ての水場に出た。早速、その岩場から流れ出た水を飲んでみるとこれが実に冷たく美味しい水で、渇いた喉には最高の山の恵みである。

 そんな美味しい水を飲み更に登って行くと現在は廃道となっている塩川林道との分岐点に出た。ここから更に20分も歩きやっと今日のお宿、日本三大峠(針ノ木峠、雁坂峠、三伏峠)の一つ、日本で一番標高が高い峠である三伏峠に到着した。三伏小屋の外関は中々綺麗で、何とトイレは水洗になっているのには驚いた。山小屋も昔とは雲泥の差があるものだ。先ずは小屋の前のbenchに腰掛け、小屋で買い求めた缶ビールで、お互い乾杯をする。周囲には圧倒的に中高年の登山者が多くそれぞれ談笑しながら、山談議に花が咲いている。缶ビールを飲み一息ついたので、小屋に入り指定された寝床の場所へ行く。今日はそんなに登山者も無いとのことで、ゆったりと寝られるのが何より有り難いことだ。夕食までには時間があるので、その寝床で焼酎の水割りをチビチビと和美と話をしながら飲んでいたら、廣島からご主人と来るまで来たという奥さんが、物欲しそうにしているので、「こちらに来て、一緒に飲みませんか。」と声をかけたら、嬉しそうにやって来て、マア、話すこと、話すこと。何でもご主人はまだ外で、酒を飲んでいるとのことで、淋しかったっせいもあるらしく、私達に盛んに話しかけてくる。これも山小屋ならではの和やかなる雰囲気であろうか。

 焼酎を飲んで、ゴロッとしていたら、やがて夕食Thymeとなり、食堂へ行く。山tourの客が、20名ぐらい陣取り、後は小Groupの登山者で賑わっている。おかずは何と天麩羅で、結構山小屋にしては、豪華番だ。丼飯をしっかりと食べ何もすることは無いので、早々とふとんを敷き眠りに着いた。


 7月26日(木)


  《行 程》

 三伏小屋(05:05発)⇒三伏山(05:22)⇒本谷山(06:22)⇒2回目の休憩(07:47)⇒塩見岳小屋上(08:25)⇒塩見岳西峰(10:13)⇒塩見岳東峰(10:13)⇒3回目の昼食休憩(10:20〜10:40)⇒三伏小屋(15:50・宿泊)


 ≪My Sankou Memo≫

 小屋の朝食は、何と4時から食べられるとのことで、しっかりと朝食を食べ山支度を整え、今日が核心である塩見岳登山Long Courseの開始だ。小屋の前の登山道を下り、左手にテント場を見て、烏帽子岳との分岐点を左に採り、ここから登山道は徐々に登が続き朝靄のかかった澄んだ
霊気を思い切り胸に吸い和美を先頭に意気揚々と歩いて行く。(最もまだ歩き始めだから元気が良いのだが・・・!!)

 程なく三伏山に達し、更に鞍部の樹林帯を下って行く。登山道の両側には、シラビソが覆い視界が遮られる。すると遠くで人の声がして、やがて本谷山(2,657.91m)の山頂に達した。小グループの登山者が休憩を採ってこれからの長い塩見岳登山のために栄気を養っているのであろう。私達も水分補給と飴玉を口にして、身体に活を入れる。そしてまた、歩き始める。ここからは暗い針葉樹林帯を嫌になるほど歩く。少ピークを二つほど過ぎ、ジグザクの登りとなってハイマツが繁る森林限界に達し更に歩き行くと眼前にドーント塩見岳の西峰と東峰の堂々たる山容が見えてきた。少し下って行くと大勢の登山者で賑わう塩見小屋の前に出た。登山道はまた、登となりここで小休止を採る。

 天狗岩を巻いて下って行くと塩見岳の鞍部に達した。更に歩を進めて行くと草原上野茂みに何と、雷鳥の親子が、仲睦まじく歩いている姿を発見した。和美が感激してデジカメでパチリ撮影をする。そんな雷鳥の親子に見送られ、更に行くと塩見岳の西峰の岩場に達した。ここからいよいよ塩見岳への岩場の登山開始となる。大きな岩が行く手を遮るかのように荒々しく屹立しており、その岩場に三点確保で着実にゆっくりと登って行く。「フー、ゼイゼイ、息が上がる。」ザラザラと小石が落ちて行く。この岩場は浮き石が多く、何でも昨日三伏小屋の係りの方が、この岩場で登山者が滑落したことを報じ、呉々も塩見岳登山に際しては、注意をするように言っていたっけ。そんな言葉を思い出し、緊張のために汗が頭からタラリと落ちる。悪戦苦闘、手がかり、足がかりを確保し、そんな岩場も登りきりついに二等三角点のある塩見岳西峰(3,047m)に到達することが出来た。 「(^o^)  ヤッタゼ。お山の大将だ。」

 西峰から稜線上を少し歩き東峰(3,052m)へ行く。東峰の方が尿公的には高いのだが、何故か三角点が西峰に敷設されている。四顧を見渡せば360度当に好展望、南アルプスの主峰、北岳、農鳥岳、間ノ岳、甲斐駒、仙丈岳等々、北アルプスの主峰の連山がその威風堂々たる雄姿を見せている。大spectacleのpanoramaだ。東峰の少し下ったところで、昼食Thymeを採り、三伏小屋で作ってくれたオニギリを頬張る。空を見上げれば白い雲がポッカリと浮かび、吹く風はヒンヤリと心地よくまるで眠けを誘うような光景である。

 いつまでもゆっくりとしていたいのだが、帰路を考えるとそんなわけにも行かず早々に腰を上げ下山開始だ。岩場は登よりも下りの方がより神経を使う、超緊張する岩場の下山だ。先に行く和美の指示に従い的確に足をおろし岩場をゆっくりと降りて行く。そんな岩場も無事に通過し、後は往路を戻る長い下山開始となる。塩見小屋に来たり、水分補充のためここでジュースを買い求めまた、歩く。歩く。そんな長い歩きに喉がカラからで、水を飲もうとするのだが、持って行った飲み水はついに無くなり、塩見小屋で買ったジュースだけなので、この先まだまだCourseは長いのでそのジュースを飲むのをあきらめ歩く。

 しかしながら、休憩pointと定めていた本谷山まで、ついに足が上がらずその手前で、貴重なるジュースを飲みGive upしてしまった。「フー、ツカレタゼヤ・・・」それでも一息ついたので、また活力が漲り、スタコラと歩くことが出来、最後の急登をclearして本谷山の頂上に立つことが出来た。ここからは下りとなり、三伏山を過ぎやっと三伏小屋の前に到着した。時に3時50分、朝5時5分に出発して、休憩時間を1時間摂ったにしても、10時間は歩いていたことになり、改めて塩見岳の山深さを思い知った。小屋に入る前に当然の如く良く歩いた身体にご褒美とばかり、缶ビールを与え、更に小屋に入り、焼酎も与えて、暫しゴロッと大の字になって休む。やがて一寝入りしていたら夕食Thymeとなり、食堂へ行くが、疲労のためにすっかりと食欲が無く、おかずと味噌汁を口にしただけで、早々に部屋に戻りふとんを敷き横になってしまった。



 7月27日(金)

 《行 程》

 三伏小屋(05:25)⇒塩見岳登山口(07:55)⇒鳥倉林道ゲート(09:40)⇒鳥倉林道駐車場(10:10着〜10:30発)⇒松川IC=中央高速道⇒諏訪Service area(12:30〜13:40・入浴&昼食休憩)⇒調布IC⇒三鷹(15:30着)

 ≪My Sankou Memo≫

 早いもので、今日は塩見岳、三伏峠ともお別れだ。朝食を済ませ5時20分に三伏小屋の係りの方に「有り難うご座いました。」と挨拶をする。「イヤー、どうぞ、気をつけてお帰りください。」と実に歯切れの良い山小屋の係りの方から返事が返ってきた。double stockを突きながら登山道を下って行く。程なく塩川との分岐点に達し、更に下って行くと水場に出た。ここでしっかりと水分補給をして、更に歩いて行く。すると二人連れの登山者が登ってきた。「お早うございます。」とお互いに挨拶を交わす。「この先に冷たい水場がありますよ。」と私がその二人連れの登山者に話したら、和美が「rangerの方達よ。」と言われ、何ともはやばつの悪い思いをしたものだ。  (^^;)

 実に登るときには辛いが、下りは何てこと無く、速くも登山口に到着した。ここから林道の坂道を下って、10時10分にMyCarが待つ駐車場に着いた。着替は大鹿村にある「赤峯館」の温泉に立ち寄り、温泉に入り、そこで着替をすれば良いと汗で濡れた衣服のままMyCarを走らせる。そしてその「赤峯館」の温泉へ行ったら「うちは立ち寄り入浴はしておりません。」と冷たく断られてしまった。「こんな田舎で、キドルンジャアネエヨ。」と車の中で毒づき、仕方が無いので、諏訪湖Service areaに温泉があるのを思い出しそこへ行くこととした。大鹿村を過ぎ、やがて松川ICに達し、中央高速道に入り、空いている高速道を快適に吹っ飛ばして、諏訪湖Service areaの駐車場にmyCarを止め立ち寄り温泉場へ行く。この温泉がマア、温度が高く熱くてゆっくりとは入っておられず、早々にそこを出てしまった。そしてrestaurantで昼食を採り、再び中央高速道を一路、東京目指し、快適に走り行く。

 こうして2012年の山行も無事に終了したのであった。また、来年はどこの山にAttackしようかな。夢は幾つになっても膨らんで、健康で歩ける喜びに二人とも満足して、まだ鮮明なる記憶である、塩見岳の山頂に立って、四顧を見渡したあの素晴らしい連山に思いを馳せるのであった。

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  〜〜《オシマイ》〜〜

 



  塩見岳   〜参考文献〜


 長野県伊那市と静岡県静岡市にまたがる標高3,047 mの山である。赤石山脈(南アルプス)中央部の南アルプス国立公園内にあり[1]、山頂周辺は特別保護地区に指定されている。
日本百名山[2]及び新日本百名山[3]に選定されている。

概要

 山頂は100 m足らずの距離を隔てて西峰と東峰に分かれ、標高は西峰が3,047 m, 東峰が3,052mである。しかし三角点は西峰に設置されているため、低い方の西峰の標高が塩見岳の標高とされている[4]。仙丈ヶ岳から続く長大な仙塩尾根の南端に位置する。山頂南側の三伏峠と本谷山南斜面、北側の北荒川岳周辺と熊の平周辺は高山植物の群生地となっている。鉄の兜(かぶと)にも似たドーム形の独特な山容で、遠方から眺めると独立峰のようなその山容が目立つ

  山名の由来

山名の由来は、山頂から海が見えるからという説や、山麓に塩の産地があるからという説がある[5]。山麓の大鹿村には、鹿塩(かしお)という集落と小渋川の支流の鹿塩川と塩川という地名がある。
明治の末頃に、少数の登山家が間ノ岳(赤石の間ノ岳)と呼んでいた、また三峰川上流の南荒川が源流であることから荒川岳とも呼ばれていた。その後大正初期になってから塩見岳が用いられるようになった

  環境

 塩見岳は海底に堆積した泥や砂が隆起と褶曲によりできた赤石山脈(南アルプス)のほぼ中央に位置するが、区分としては南アルプス北部(三伏峠より北側)とされている。山の上部は森林限界の上にあり、そのハイマツ帯には高山植物が群生しており、ライチョウの生息地となっている。さらに下側は、針葉樹林が山腹を埋め尽くしている。山頂は麓の標高約700 mの大鹿村下市場集落と比べて、標高差換算で約14℃気温が低い。このため、春遅くまで山頂で降雪することがある。登山シーズンは6月中旬から10月上旬が適期

 地球温暖化が進むにつれて、鹿などの野生動物が、三伏峠の上部まで上がってきて、ライチョウのエサとなる高山植物の若芽などを食べ尽くし、生態系を乱していることが問題となっている。地元の大鹿村では、鹿の食害対策として増えすぎた鹿を捕獲し、その肉を「大鹿ジビエ」の名で地域ブランド品としている

  歴史

1902年(明治35年)に、家中虎之介が測量のため登頂し、その後二等三角点が設置された[8]。
1917年(大正6年)7月21日に、慶應義塾大学山学部の中條常七らが西山温泉から赤石岳縦走の際に登頂した
 1918年(大正7年)に、木暮理太郎と武田久吉が、南アルプス北部を縦走し登頂した。
1935年(昭和7年)3月31日に、立教大学山学部の奥平昌英らが北俣尾根から積雪期登頂した[
 1935年(昭和10年)に、鹿塩温泉の経営者である平瀬理太郎が三伏小屋を建設した[8]。
1964年(昭和39年)6月1日に、南アルプス国立公園に指定された
1993年(平成5年)に、鳥倉林道が開通し、多くの登山者がこの林道終点の登山口から塩見岳へ登頂するようになった。それ以前は、塩川小屋からの登山道が多くの登山者に利用されていた。
 1997年(平成9年)から、登山者増加に伴う水場の水質汚染などのため、塩見小屋ではキャンプ禁止となった。
 2000年(平成12年)から、地下浸透トイレを廃止し、ヘリコプター輸送による処理を行うようになった。
 2007年(平成19年)9月16日に、NHK総合テレビの『小さな旅』で、塩見小屋と塩見岳が紹介された
 2010年(平成22年)7月17日に、伊那市長谷杉島(塩平地籍)において崩落があり、塩見新道の登山口へ向かう三峰川林道が通行止めとなった。

  登山
 
  登山道

 一般的には、大鹿村から、鳥倉林道または塩川小屋からのルートを利用し、三伏峠を経由して山頂を往復することが多い。日帰りで往復する登山者もいる。山頂直下北面の塩見岳バットレスは冬季に雪稜登攀の対象となる。

 鳥倉林道からのルート

鳥倉林道の終点に登山口があり、夏季限定登山バスの臨時停留所が設置されている。林道終点の約1.8 km手前にはゲートが設置されており、一般車両は進入できない。ゲート手前には、登山者専用の駐車場とトイレが整備されており、すぐ近くの沢水が利用できる場合がある。
登山口の最初はカラマツ林の急坂であるが、その先は比較的勾配が緩やかな歩きやすいコースとなっている。また塩川小屋からのルート合流点の途中には湧水があり、水を利用できる場合が多い。南アルプス縦走路との合流点の三伏峠には、整備されたキャンプ指定地のある三伏峠小屋がある。その北に小さなピークの三伏山がある。いったん下り、再び登り返すと本谷山(標高2,657.91 m, 三等三角点、点名:黒川)のピークがある。この南斜面や三伏峠周辺には、高山植物のお花畑が広がっている。本谷山からいったん下り稜線の南側斜面をトラバースしながら進んでいくと、稜線に出た先で北西の大曲がりからの塩見新道からのルートに合流する。その先の前衛の小ピークには、夏季の一部期間のみ営業を行う塩見小屋がある。その先をいったん下り急な岩場を登っていくと、塩見岳の西峰に到着する。西峰には二等三角点(標高3,046.86 m, 点名:塩見山)がある。そのすぐ東側には、これよりも標高の高い東峰 (3,052 m) がある。

 塩川小屋からのルート

 国道152号の鹿塩(かしお)から塩川沿いの道路を進むとその終点に塩川小屋があり、ここから登山道が始まる。約1.5 km塩川沿いに進むと尾根の取り付きがあり、急な登りが延々と続きやがて鳥倉林道からのルートと合流する。

 塩見新道

長野県側の三峰川林道の大曲からのルート。塩見小屋の手前で南アルプスの縦走路に合流する。2010年9月現在、三峰川林道は崩落のため全面通行止めになっており、塩見新道へ通じる道はない。

 蝙蝠尾根からのルート

 南東の二軒小屋ロッジから徳右衛門岳(とくえもんだけ)と蝙蝠岳を経由した尾根上のルート。登山者が少なく踏み跡が薄い。

 縦走ルート

赤石山脈の主稜線に沿った登山道があり、塩見岳はその稜線上にある。南の小河内岳・荒川岳方面から、または北の仙塩尾根(仙丈ヶ岳から三峰岳を経由して塩見岳まで伸びる尾根)や北岳・農鳥岳方面から縦走する場合に通過する。

 積雪期のルート

 一般的には、塩川小屋からのルートが冬期によく利用されている。本谷山から先の夏道の南斜面トラバース部の代わりに、稜線上を歩くことになる。

  周辺の山小屋

 塩見小屋が山頂に最も近い山小屋である。南アルプスの大部分の山小屋で、営業期間外は緊急避難用として一部が開放されている[14]。