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Circle≪ゆ〜ぽぴあ≫・遊歩記


         第113回遊歩
清秋の那須連峰を歩き秘湯で湯ったり気分











 遊歩日  2010年9月25日(土)〜26日(日) 1泊2日
 遊歩先  三本槍岳(1916.9m) 三斗小屋温泉「大黒屋」山域 栃木県那須
メンバー  4名
 天 候  25日 曇りのち雨 26日 晴天


 9月25日(土)

 《行 程》
 黒磯駅=バス⇒那須岳山麓駅(11:00)⇒峰野茶屋避難小屋(12:00)⇒三斗小屋温泉「大黒屋(14:00) 宿泊 (-.-)Zzz」


 ≪遊歩記
 
 9月の山行は予定を立てるのが、実に難しいものがある。なぜならばこの時期は台風と秋の長雨の影響があるためだ。今回の那須連峰&三斗小屋温泉遊歩もその雨のことが心配され1週間前から天気予報の情報に一喜一憂していた。そしてその実施日の当日は、幸にも雨の影響はなくyuupoler男性4名が上野駅中央口に勢揃いをした。皆さんの集まりが早かったので、当初の計画よりも速い電車に乗り、先ずは宇都宮へ向かった。しかし、この電車は山手線と同様のロングシートのため何だか旅気分が出なかった。その代わりに宇都宮から黒磯駅間はボックスシートだったのでyuupoler4人、やっと落ち着いて旅気分も高揚し、これからの茶臼岳、そして三斗小屋温泉、三本槍ヶ岳登山に思いを馳せる。

 黒磯駅で下車し空いているバスに乗り込む。街並みから段々と那須高原へ移り変わる車窓からの風景に気持も和んでくる。今回の遊歩は、担当者である鴬谷のS,Mさんの計画で実施されるもので山と温泉が楽しめる実に贅沢なコースだ。曇り空の下、段々と高度を増しやがてバスは約小一時間で那須岳山麓駅に到着した。聞けば何と強風のためにロープウェイは運転中止とのことで、そのため茶臼岳はパスし、軟弱なる考えは消え去り、しっかりと歩いて行くこととした。山支度をし「イザ、行かん」と山麓駅から出てみたらジャーーン、雨が降ってきたではないか。そのためまた、山麓駅へ戻りしっかりと雨具を着けバッシと活を入れRooNavの鴬谷のS,Mさんを先頭に我ら3名が従い先ずは峰野茶屋跡の避難小屋を目指し間断なく降る雨の中一歩一歩歩を進めた。こうして那須連峰&三斗小屋温泉遊歩の開始だ。・・・!!!

 それではこの那須岳について少し述べてみよう。
 那須岳
 那須岳(なすだけ)は栃木県那須塩原市、那須郡那須町、福島県西白河郡西郷村にまたがる火山群の総称。奥羽山脈の南端に位置し、広い裾野を持つ成層火山で、最高峰は三本槍岳の1917m。主峰である茶臼岳は現在も蒸気と火山ガスを盛んに噴出している。茶臼岳以外の山はすでに噴火活動を終えている。なお、那須岳は那須連山、那須連峰、那須火山群、那須山地、那須山塊などと称されることもある。
那須火山群は約60万年前から活動が始まり、まず始めに北側にある甲子旭岳が60万年前から噴火した。次はそのやや南側にある三本槍岳が40万年〜25万年前に噴火し、20万年前から5万年前までさらに南側の朝日岳と南月山が活動した。これらの火山は流動性の少ない安山岩質溶岩以外に、流動性の良い玄武岩質溶岩も噴出し、現在見られる広大な裾野を形成した。現在噴気活動をしている茶臼山は3万年前から活動している。
那須連峰の主な山
北から 甲子山 1549m 旭岳 1835m 須立山1720m 三本槍岳 1917m 那須岳最高峰 朝日岳 1896m 剣が峰 1799m茶臼岳 1915m 噴気あり 日の出平 1786m 南月山 1776m 白笹山 1719m 黒尾谷岳 1589
m

 車道を少し進むとやがて車道の左側に遊歩道があり、そこから階段状になっている遊歩道を淡々と歩いて行く。幸にも雨はそんなには強く降っておらずこれは大助かりだ。少し歩いて行くと広々とした駐車場に出た。ここはマイカー客が那須岳へ来るための駐車場となっている。その駐車場を過ぎると峠の茶屋があり、ここでは山の指導員が駐在していて「今日は風が強いから茶臼岳には行かないでください。それから峰野茶屋跡付近は相当に風が強いから呉々も気をつけてくださいね。」と細々と注意をしてくれた。鳥居をくぐるとやっと登山道らしくなり登りはじめは結構傾斜がきつくまだ体が登りのペースに慣れていないので堪える。

 視界はガスで何も見えず晴天ならばここら辺りから荒々しい旭岳がその雄姿を見せてくれるのだろうが、誠に残念である。登山道は観光地と言うことでとても整備されており、O,Sさんも歩きやすそうで浜のK,Kさんのサポートにより快適に山歩きを楽しんでいるようだ。広陵とした茶臼岳の中腹を上り詰めるとやがて山道も広々として程なく「峰野茶屋跡避難小屋」に到着した。曾てはここに峰野茶屋という石室があったが荒廃し平成9年にログハウス風の立派な避難小屋が建てられた。小屋に入ると先客がおり、何だか良い匂いをさせて盛んにご馳走造に取りくんでいる。我らも彼らに比し粗末な昼食ではあるが、腹が空いていれば何でも美味しくそれなりに腹の虫は満足してくれた。  (^^)

 私はこの峰の茶屋には、苦い思い出がある。あれはもう何年にも前になるが、1月の有雪期に和美と共に三斗小屋温泉「大黒屋」へ訪れその帰途この峰の茶屋に差し掛かったときだ。三斗小屋温泉の方から登ってくると強風が吹き付けその強風が体を押してくれるので、「ワーイ、ラクチン、ラクチン」とばかりに喜んで、楽々とこの頂点である峰の茶屋まで来たときのことだ。何しろその強風が一気に峰の茶屋の所で、楽をしていた私をあざ笑うが如くバーンと吹きつけ思わず私はコロコロと転倒し崖際まで転んでしまった。幸にもそこにしっかりとしたベンチがあったので、腹這いになりながらそのベンチの柱にしっかりと捕まって強風を避けていた。その強風は止むことはなく「バカメ、これでもか、これでもか」とばかり私をめがけ吹きつけてくる。一方、和美を見てやればなんなくその強風を避け峰の茶屋の方から「オーイ、いいから這ってきなさいよ。」と大声で呼んでいるではないか。「ゲッ、這ってこいたってねえ。この強風では動きが取れないではないか。」と暫し思案をしていたのであるが、いつまでもそこにはおられないので、ままよとばかり兵隊がよくやる匍匐前進のようにして、ソロソロとそこから抜け出て瞬間であるが、風が弱まったところを見計らいササッと峰の茶屋の方へ移動したのであった。

 そんな経験があるものだから、二度目に三斗小屋温泉「タバコ屋」へ有雪期のこれも1月に訪れた際は、要領よく強風が吹き付けるこの峰の茶屋は通過したのであった。この峰の茶屋は特に冬期は強風が吹き付ける通り道になっており、この強風のために遭難者が何人も出たとのことだ。私も下手をすれば「オラハ死んじまったダ・・・!!!」と今は存在しない人となり、この峰の茶屋に毎年花束が手向けられ何故かドジな人であったと懐古の思いに涙無くただ笑われていたことであろう。「アーー、生きていて良かったダ。  (^^;)

」この峰の茶屋避難小屋の所は十字路になっており、南は茶臼岳へ、西は三斗小屋温泉へ、北は旭岳、三本槍ヶ岳へとそれぞれ行ける分岐点になっている。小屋内で先客の多分豚汁の良き匂いを嗅ぎながらオニギリを食べ気付け薬の缶ビールを飲みしっかりと腹ごしらえをして、小屋から外へ出てみると風はそんなに強くなく大分指導員の脅しがオーバーだったことが分かる。これから三斗小屋温泉へ歩を進めるために西側のガレ場を下る。やがて潅木帯に入りもう一つの避難小屋の前を通過し、川に掛かる橋を渡る。この川は澄んでいるが酸性度が強く魚が住めないとのことだ。その代わりに少し行くと「延命水」という清水が流れ出ている小沢があり、この水を飲むと命が永良れると言う大変ありがたいお水で私も早速飲んでみたが実に癖のない水であった。きっと寿命まで永良れることであろう。  (^^)

 ここら辺りは三斗小屋温泉へ行くハイカーで列を成し、今夜のお宿を聞いてみると「タバコ屋」とのことで、内心「ヤッター、大黒屋が込まないで良かった。」とほくそ笑む。その大黒屋へは程なく到着し、今日は「ひと夜をいこう山男・・・!!!」とばかりゆっくりと温泉に入りうま酒を飲み明日の栄気を養おう。

 それではこの三斗小屋温泉「大黒屋」について少し述べてみよう。
  三斗小屋温泉「大黒屋」
 日本百名山のひとつ、今なお噴煙上げる茶臼岳(那須岳)の北西、隠居倉の斜面中腹に位置し、大正以前、板室宿から三斗小屋宿、野際新宿と続く会津中街道に人馬の往来があった頃は主に湯治と白湯山信仰の行者で栄えた歴史があります。最盛期(明治元年頃)には5軒が営業していたが、2軒のみとなりました。利用者は登山者が大半ですが、ひなびた木造りの浴槽や岩風呂、清らかな湯、帳場の掘りごたつも心安らぐもので、明かりはランプと自家発電の裸電球です。

 大黒屋の玄関に入ると古びた昔ながらの佇まいに心が和む。宿の人に案内され2階の部屋に通された。先ずはお清めとばかり銘酒「花の舞」と芋焼酎等で野郎4人の酒盛りが始まった。この芋焼酎が実に喉ごしが良く私はもうすっかりとヨカ気分になり、超ごキゲンだ。そんな酒盛りで腹から温めて今度は外から温めようとタオルを肩にかけ温泉に入りに行く。以前私が訪れたときと違い風呂場も広くしかも二つも浴室があり様変わりしていた。その泉質は実に肌に優しく心地の良いもので、当に「ババンババーン、ここは下野三斗小屋の湯」と良い湯だな。

 そんな温泉に入り心も身体もすっかりとRefreshしたところで、今度はお待ちかねの部屋食での宿屋情緒たっぷりの銘々での箱膳の夕食だ。素朴なご馳走に舌鼓を打ち満足、満足の至福のひと時の食事を終え、温泉大好きな私は寝る前に一浴とばかりに温泉へ行く。廊下に灯るランプの明かりが風情を感じさせ何とも言えない雰囲気だ。


 9月26日(日)

 《行 程》
 三斗小屋温泉「大黒屋」(7:30発)⇒隠居倉(8:37)⇒清水平(9:50)⇒分岐(10:20)⇒三本槍ヶ岳(10:40)⇒分岐(11:00)⇒北温泉(13:25)⇒バス停(14:00)=バス⇒黒磯駅=新幹線⇒東京


 ≪遊歩記≫

 朝風呂を済ませしっかりと朝食を採り、大黒屋のご主人に別れを告げ、いよいよ今回のmain event、三本槍岳から中野大倉尾根を辿り北温泉までの 山歩きの開始だ。お天気は昨日とうって違い当にお山は晴天だ。登山口を見つけるのに少し迷った後、正式登山ルートからRooNavの鴬谷のS,Mさん、浜のK,Kさん、O,Sさん、そして私と一列縦隊で、標高差800mの三本槍ヶ岳目指し
登山が始まった。川沿いのじめっとした樹林帯を登ると程なく「温泉神社」に到着した。ここで今日の登山の無事と何時までも温泉に行ける健康を祈願し更に歩を進める。そして見晴らしの良い斜面に出ると硫黄の匂いが鼻をつく。そこは白く噴煙を上げる溶岩がゴロゴロとした「噴気口」
だ。鴬谷のS,MさんのLectureによるとこの硫黄泉はタバコ屋が所有しているもので、大黒屋のものではないとのことだ。そう言えば大黒屋の泉質は無色透明であった。こんな狭いところで二つの温泉宿で硫黄泉と無色透明の温泉があるとは全く驚いてしまった。

 ここから西空に浮かぶ大倉尾根の眺めが素晴らしく、雨上がりの山々は緑がなおいっそう鮮やかで「六根清浄、お山は晴天」と思わず叫んでしまった。高度は徐々にきつくなりそのためかO,Sさんの足取りが少々重くなってきたようだ。そんなきつい登りをやっとclearすると素晴らしい展望台「陰虚倉に到着した。」ここから旭岳から剣ヶ峰に続く石尾根や噴煙を上げる茶臼岳、三本槍ヶ岳の眺望が素晴らしい。逆コースから来たハイカーがこの景観の良い場所で思い思いに休みを取り皆さん、今日の良き日、大自然の恵みに感謝しているようだ。一本立てた後、更に歩を進める。陰虚倉からは道も緩やかとなり少し登ると主稜線に出る。そして階段状の道を下ると広々とした「清水平」に出た。真夏の時期であれば高山植物が咲いているのであろうが、残念ながらこの時期は花々にはお目にかかれない。

 ハイマツの中を登るとやがて大きな指導標がある分岐点に着いた。ここでO,Sさんは待機しているとのことで、ザックをここに置き我ら3人三本槍ヶ岳へピストン山行をすることとした。ハイマツに覆われた道を登りまた、下り返し更に上り詰めると「ヤッホー、出たー、三本槍ヶ岳の山頂だ。ハイマツに囲まれた360度の山頂はその景観が素晴らしく晴れた日には磐梯山、東連峰、飯豊連峰、日光連山、燧ヶ岳、尾瀬の峰嶺が屹立し堂々たる雄姿を見せているが、今日はどうであろうか。私は山座同定が出来ないから何とも言えないのだが、多分見えているのであろうか。そんな四顧の眺めに満足しまた、脱兎の如く駆け下り、O,Sさんの待つ分岐点に到着しい本立ててから景観が素晴らしい中野大倉尾根を下り北温泉へと歩を進めた。

 ハイマツ帯を下り、火山礫からやがて潅木帯に入り、左に赤綱山の分岐を分け更に歩を進めて行く。ここら辺りまで来ると登山道は良く整備されており、もう、我ら4人、誰かではないが「温泉、ビール、温泉、ビール」と掛け声をかけながらスタコラサッサと駆け下って行く。その途中樹林帯の所で遅めの昼食タイムを採り、更に歩を進めいい加減膝が笑ってきたところで、やっと北温泉の屋根が見えてきた。そしてこの北温泉の白濁した温泉で一浴し、しっかりと湯上がりに缶ビールを飲みそしてバス停へ向かうため車道の急坂を息を切らせ歩いて行く。

 こうして今回の那須連峰&三斗小屋温泉遊歩も一日目は雨のため茶臼岳をパスしたが、二日目は晴天に恵まれ三本槍ヶ岳の登山が出来、二つの温泉に入れ充実した山歩きを堪能出来た。

 「山歩きが出来、お酒も飲め温泉にも入れ健康って本当にありがたいな。ウーーン、最後に本当は私は左腰を痛めていて、この那須連峰&三斗小屋温泉遊歩が懸念されたが、どうやら達成できました。」   \(^O^)/  (^o^)