《ゆーぽぴあ》2018のページに戻る

《次のページへ》









    Circle≪ゆ〜ぽぴあ≫・遊歩記
   第262回遊歩

  ≪盛夏の一日・東京の現代風景と
   江戸のつながりを訪ねて・・・!!≫











     遊歩日:     2018年7月15日(日曜日)
     遊歩先:    西新宿探検「平和祈念展示資料館・十二社熊野神社文化財・東京都庁展望室 他」
     天 候:    晴れ               Email: katsuo@taikidou.com 
     参加者:    9名
  遊歩記執筆者:    K,M


  《行 程》

◎ 新宿駅西口 start
@ 平和祈念展示資料室(新宿住友ビル)
A 東京都庁展望室(第一本庁舎1階展望室専用エレベーター利用)
B 新宿中央公園北(エコギャラリー 新宿十二社熊野神社)
C 玉川上水歩道・代々木緑道
D 玉川上水内藤新宿分水歩道 新宿門から大木戸門
E 玉川上水の碑 終了


  ≪遊歩記≫


 ここ最近、連日35度を超える真夏日が続き、7月15日(日)もそれに違わず真夏日の猛暑の一日であった。そんな日に新宿副都心西新宿地区を歩いて、先の悲惨な負け戦の痕跡を集積している平和祈念展示資料館を訪ね、戦後復興の証とも言える東京都庁展望室に登り、新宿中央公園散策と新宿十二社熊野神社参詣、巨大な新国立劇場東京オペラシティの脇をあるいて初台に到達。さらに江戸の飲料水の流れを求めて甲州街道の跨線橋を渡り、玉川上水跡の代々木緑道を歩いて玉川上水内藤新宿分水歩道は、新宿御苑の新宿門から大木戸門までとその流れを辿った。
 とにかく今回は、暑い一日を過ごしたことは参加者に共通した思いであったと思われる。午前10時、JR新宿駅西口改札外集合のとおり参加者9名が揃ったので、主催者の指示で涼しい新宿住友ビルに向かった。中央通りの地下道を歩いている分にはそれほど暑さを感じることもなく、段ボールとブルーシートのハウスもなくきれいになったね、と言っているうちに地下道は終わり、猛暑の中に突入。少し歩いて工事中の玄関口の覆いの中に入りエレベーターホールに到達。日曜日なのでひっそりとしていたので、ここで朝のごあいさつがなされ行動を開始した。

 33階まで直通のエレベータ、貸し切り状態。受付でビデオは正時に放映すると聞き、11時にビデオシアター集合として見学を開始したが、涼しそうなビデオシアターに入り、途中から視聴した。同行者達にどうしたの聞かれたから少し涼んでから回ると言ったら、同行者達も一緒に視聴していた。ビデオが樺太で起きた事実の記録と資料映像、体験談を客観的に淡々と伝える中に悲惨な状況が伝わり、悲しみと怒り、おぞましさがこみ上げてきた。これらは私たちの兄、姉、父母、祖父母たちが体験し、生き抜いてきた時代の一場面でもある。
 兵士のコーナー、出征する兵士の姿の再現、カーキ色の地味な軍服、日誌や郵便物などの軍隊生活の一部を展示していた。今の生活から見ると痛々しいほど質素な生活用品であった。戦後強制抑留コーナーは、理不尽な強権主義国家による拘束の場面、記録であった。鬼畜米英は幼い時代に母に聞かされたこともあったが、捕虜は人間として扱われ、彼らには遵法精神があったように思っている。ユートピアの強権国家には唯我独尊、全てを服従させる精神に溢れていたように思われる。それが貫徹できず消滅した国家もあるようだ。捕らわれた兵士たちが生き抜くために自作したスプーンの出来栄えの素晴らしさ、将棋の駒、麻雀パイなどなどは、微笑ましさと同時に涙ぐんでしまう出来栄えであった。シベリアの厳しい冬の労働に耐えて帰還した兵士たち、舞鶴港の引揚げ船のニュースは今でも覚えている。ワタクシの小学校時代の同級生の父親はシベリアからの帰還兵であったし、帰らぬ父親もいて、母は再婚して祖父母に養育されていた同級生もいた。
 海外からの引き上げコーナーは、引き揚げ船の船底でみそ汁と米飯の粗末な食事している再現場面は、生きていることを実感した様子が表現されていた。母の従妹は満州からの引揚者であった。戦争は理不尽であり、負けるとそれがさらに拡大する。今でもそれが続いているように感じられることもあるが、ヒトが一人の人間として生き抜けるために、公正公平な人間愛の精神の浸透を期待している。

 ビデオを見終わってから退室して地上に立つと猛烈な暑さに襲われた。階段を上り道路橋を渡って都庁の正面玄関前に立ったが、本日休日閉門とあり、指示に従って建物沿いに歩いて階段を下りて1階の北入り口から入庁した。直通エレベータはそれほど混まずに貸し切り状態で展望室に着いた。窓側に通路があって中央部は色々なグッズの売り場になっていた。窓に沿って見下ろすと代々木公園の緑地、遠くには丹沢の山々、高尾山が見えるはずだったが白い雲の中だった。新宿中央公園が真下に見えるので昼食に適した日陰のベンチを探して見たが、確信は持てなかった。
 そうこうしていると同行者がラウンジでランチしたい、外は暑いから・・・と言いだした。みんながいいならそうしましょと返したら、すぐに同意を取り付けて来た。そこでカウンターに9人揃って東京タワー、六本木ヒルズの方を眺めながらランチをした。同行者達がオーダーしたものを見ていたら、とにかく冷たいビールを飲みたかったような感じだった。
 1階に降りて道路を横切り階段を上って新宿中央公園の中に入った。すると日本の太鼓のリズムとは異なる太鼓の音が聞こえてきた。広場でアフリカヘリテージフェステバルが行われていた。林間の散策路を辿ってエコギャラリーに入館したが、見るべき展示品は少なかった。道なりに歩いて新宿十二社熊野神社に詣でた。きれいなお宮であった。

 道なりに歩いて公園の管理事務所前に来たら、イスとテーブルが目に着き、ここで休みたい言い出した。急ぐこともないのでイスを人数分並べて座り、お話しタイムともぐもぐタイムになった。お昼にと用意したスイカなどが出された。楽しいオヒルを期待していた方もいたわけで、このまま持ち帰るのも切ないのでイイ休憩になったかと思う。ごちそうさまでした。
 巨樹、巨木は見当たらなかったが良く茂った静かな歩きやすい公園であった。角筈区民センター前に出た。信号を渡って左に折れて直進すると、左手に巨大な建物が見えて来たので左折して巨大な建物・新国立劇場東京オペラシティに沿って歩いた。日陰の無い通りは暑いの一言に尽きる。甲州街道に突き当たり、地下に京王線の初台駅がある。街道を横切るには長い階段の歩道橋を渡ることになる。
 歩道橋を出て後続を待ったが中々現れない、しばらく待っていると脚に引き付けを起こして歩行困難となり、階段を登らずに地下駅の初台駅に降りて、付き添いと合わせて3人が電車で帰宅したという報告があった。この猛暑であるから発生しやすい症状であるが、スポーツドリンクを飲んで冷房の効いた電車で帰宅する分には特に問題は無いと思われた。少し歩くと緑道、日陰のある道に着く。左に折れて新宿駅方面に向かって歩いた。
 上水路は埋められて歩道になっていたが地下は京王新線が走っているようだ。両側に樹木が林立していて上水跡という雰囲気があった。道なりに大通りを二つ越えて行くと左側のお寺さんの裏を通り抜けて文化学園大学の校舎の前に出た。校舎に沿って上水路跡らしき並木を歩くと路地に入り、左側が駐車場になっていた。細い道を抜けると両側に歩道が設けられたこジャレタ通りに出た。この先行き止まりで道はなく左に折れると甲州街道、ルミネが見えた。街中歩きとなった。バスタ新宿の前を通り山手線を越えて階段通路を下りて道なりに進んだ。人混みが凄い。久しぶりに大混雑の中を歩いた。平坦な道に出ると都立新宿高校の前を歩いていた。新宿御苑は近い。

 御苑新宿門前に到着、門を潜ると有料になるので今回は、無料の玉川上水内藤新宿分水路跡を歩くと言って、新宿門から大木戸門まで歩いた。歩道に入るとイチョウやクスノキなどの巨樹、巨木が林立していて涼しく、街中とは別世界であった。左側に小振りなせせらぎが流れていて往時の玉川上水を偲ばせていた。ホタルやイトトンボが飛んでいるとイイねと言いながら、約1キロの深い森におおわれた歩道を歩いた。滔々と流れていた当時の上水は、江戸の市民の命の絆であったことを思わずにはいられない。
 バスタの前で、ここで止めて帰りたいとつぶやいた方々の顔もほころんでいた。高層階でのお昼のビールが効きすぎたようだが、今回は、戦後の混乱の一場面、復興の現状、江戸の暮らしの一端に触れることが主目的であったので中断するわけには行かなかった。玉川上水の碑を確認してキネン写真を撮ったが、カメラは熱中症になってしまいゆらゆらぼんやりの映像が映っていた。面白いので添付する。午後4時少し前に解散、それぞれ地下鉄、JRの各駅に向かった。
 今回の趣旨にご賛同いただいた参加者各位に感謝しますデス。お疲れさまでした。




《遊歩先の紹介》


平和祈念展示資料室


 新宿駅西口から都庁方面に地下道を歩いて5分ぐらいで新宿住友ビルの48階に平和祈念展示資料館があります。無料の展示室で館内は兵士エリア、戦後強制抑留、海外から引き揚げコーナ等に展示品と映像による紹介があり戦争について学べます。さきの大戦における兵士、戦後強制抑留者および海外からの引揚者の労苦について理解を深めてもらうため、様々な実物資料、グラフィック、映像、ジオラマなどを戦争体験のない世代にもわかりやすく常設で展示しています。

東京都庁展望室


 地上202メートルの高さから東京のまちを一望できます。 展望室は、おいでになったみなさまに、眺望を楽しみながら東京や都政に対する理解と関心を深めていただく場です。
北東方面 東京スカイツリーが見える方角です。
南東方面 東京タワーが見える方角です。
南西方面 新宿パークタワー、東京オペラシティなどが見える方角です。
西方面  富士山が見える方角です。
     気温が低くて見通しがきく12月〜2月は、富士山を望むことができる日が多いです。

玉川上水内藤新宿分水歩道


 新宿御苑のインフォメンションセンター脇から散歩道は始まる。今は道路になっている旧玉川上水の流れに沿って、新宿御苑との間に新宿区が整備した小川と散歩道だ。玉川上水・内藤新宿分水散歩道は約540mの距離があり、ここから大木戸門まで続く。かつての玉川上水の流れに沿って造られただけあって、歩道脇には水路もある。きれいな水の流れを見ながら歩くのはなかなか気持ちがいい。新宿御苑トンネル内にわき出た地下水を、ポンプで吸い上げて利用しているらしい。