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Circle≪ゆ〜ぽぴあ≫・遊歩案内
        第95回遊歩
      ≪晩秋の奥秩父の名峰甲武信岳
      と雁坂峠を訪ねて≫








  遊歩日:   2009年10月31日(土)〜11月1日(日)) 1泊2日
  遊歩先:   甲武信岳(2475m)・西破風山(2318m)・雁坂嶺
         (2289m) 山域奥秩父
   Grade:   G3
  参加者:   3名
  天 候:   二日間とも快晴


 10月31日(土)

 <行 程><BR>  
 立川(6:43・甲府行)⇒八王子(6:55)⇒塩山(8:13)=タクシー⇒東沢山荘(9:00発)⇒西沢山荘(9:25)=徳ちゃん新道⇒1回目の休憩(10:10)⇒2回目の休憩(11:15)⇒旧道合流点(11:55)⇒3回目の休憩(13:05)⇒4回目の休憩(13:45)⇒奥秩父縦走路(14:40)⇒木賊山山頂(14:50)⇒甲武信小屋(15:05)⇒甲武信岳山頂(15:15)⇒甲武信小屋(15:45) 宿泊 (-.-)Zzz

 ≪遊歩記≫

 Circle《ゆーぽぴあ》では、2009年一番のビックな遊歩となる「甲武信岳遊歩」の参加者であるが、歩程が長いことがネックとなり、結局、最終参加者は、誰もおらず結果、最初からRooNavとして決定をしていた浜のK,Kさんと和美そして私の3人で山行を実施することとした。私達三人であれば何も遠距離でお負けに交通費が高い信濃川上駅から千曲川源流コースで、甲武信岳を登らずとも、最短コースである塩山駅から西沢渓谷を経て戸渡尾根コースで甲武信岳を登ろうと浜のK,Kさんと相談の結果、
そのように決定し実施することとなった。

 この戸渡尾根コースは、何しろ急登の連続の体力勝負の登りがいのあるコースで、私は過去有雪期に一度、無雪期に一度計2回登っている。その際も結構疲れたことが未だに脳裏に浮かぶ。何しろ最近は、アキレス腱断裂以来本格的な登山を実施していないので、果たしてバテずに山頂まで行けるかどうか甚だ心配であるが、ここは一番、何としてでも自信を付けるためにも、幸い大分アキレス腱も伸びてきておりその点、自分でも登山できると確信し、イザ、Challengeとばかりに塩山駅に降り立った。

 既に一つ前の電車で、塩山駅に来ていた浜のK,Kさんと合流し、予約をしておいた塩山タクシーに乗り込む。その話し好きな運転手と話をしていたら何と奇遇なるかな。7月に実施した「西沢渓谷遊歩」の時に利用したタクシーの運転手であった。その運転手と談笑していたらあっという間に終点である東佐和山荘へ到着した。下山後もタクシーを利用するからと運転手から名刺を受け取り、山支度をしっかりして一応、RooNavの浜のK,Kさんを先頭に和美そして私という順序で行動開始となる。

 それではこの「甲武信岳」についてその概略を記しておこう。

 甲武信ヶ岳 

 甲武信ヶ岳は、山梨県・埼玉県・長野県の3県の境にある標高2,475mの山で、奥秩父山塊の主脈の中央に位置する。甲武信岳(こぶしだけ)ともいう。
甲州(山梨県)、武州(埼玉県)、信州(長野県)の境にあるのでこの名になっているとされる説が有名だが、山容が拳(コブシ)のように見えるから、という説もある。千曲川(新潟県に入ると信濃川)、荒川、笛吹川(釜無川と合流し富士川となる)の水源の地。日本百名山の一つ。晴れていれば頂上からの眺望良し。頂上に三角点はない。また、すぐ隣の三宝山のほうが標高が僅かに高い。
 毛木平から千曲川源流遊歩道を通って甲武信ヶ岳までピストンするのが最短コースであり、早朝から登れば日帰りが可能。または、「毛木平→千曲川源流遊歩道→甲武信ヶ岳→三宝山→十文字峠→毛木平」の周回コースもマイカー登山客に人気がある。ピストンよりも2時間ほど長くかかるが、健脚者なら日帰りも可能である。

 今日はお天気も良いためにハイカーも多くゾロゾロと歩いている。この中の大半はザックから言っても、西沢渓谷の遊歩道を歩くハイカーがほとんどである。そんなハイカーに交じり浜のK,Kさんのいかにも重たそうなザックを先頭にそれなりのザックの私達が後方に従いまだしっかりとした足取りで、大股に歩いて行く。「どちらへ登るのですか。」とそんなハイカーの一人から声が掛かる。すると「甲武信ガ岳ですよ。どうですか。一緒に行きませんか。」と浜のK,Kさんが応える。「イヤイヤ、トテモ、トテモ」とそのハイカーが遠慮がちに話す。私達のさっそうたる姿は、彼らハイカーに尊敬の眼差しで見られていると思うと何だか鼻が高く「ヤッテヤロウジャアナイノ」と否が応でも闘争心がふつふつと湧いて来た。

 「エヘヘヘヘヘ、エーッとさっそうたる姿は今のうちだけですので・・・!!! 言わしてくださいね。」  m(__)m

 久々の充実した本格的な登山に気分は高揚し、西沢渓谷の清らかなせせらぎの音を聞きながら林道を快適に歩いて行く。やがて廃虚となっている西沢山荘に出た。この先からいよいよ急登の連続である戸渡尾根、徳ちゃん新道の始まりだ。私はこの徳ちゃん新道は始めて登るコースで最近は専ら登山客はこの徳ちゃん新道を利用して甲武信ガ岳へ登っているようである。本当にいきなりの急登が続いており、それでもさすがは3人、ウッフン、健脚揃いペースを落とすことなく順調にに歩を進める。しかし、浜のK,Kさんは、長身のために歩幅が広くどうしても私達二人と間が空いてしまい後から私達が浜のK,Kさんを追いかけて登るというスタイルを保ちそんな急登を息も切らさず登って行く。

 そんな急登を詰めていたら早くも下山する登山者が降りてきた。この急下降では下山する方も大変であるが、それだけ時間短縮で下山できるからそれもまた、得点であるかも知れない。そんな下山する方を見送り更に歩を進める。すると浜のK,Kさんが「ここらで一本立てましょう。」と声が掛かり1回目の休憩となる。空を見上げれば真っ青で今日は当に登山日和の恵まれた日で、吹く風も心地よくかいた汗がヒンヤリと実に気持がよい。給水をし、ミカンを食べたりして、身体にエネルギーの補填をしてから、また、甲武信岳目指し登山開始となる。

 それから2回目の休憩を採り、更に歩を進めて行く。ここら辺りまで来ると傾斜が一段ときつくなり、息が上がりがちとなる。それでもガラスのアキレス腱はそんなに痛くなく代えって登る度にアキレス腱が伸ばされストレッチをされるので代えって良いのかも知れない。展望は木々に囲まれて無いが、石楠花の木が目立ち6月頃はさぞかし綺麗であろう。この石楠花は開花が1年おきだと言うから今年はどうであったのだろうか。まだこんな石楠花に思いをやる余裕があるからエンジンは先ず大丈夫だ。そんな急登を過ぎるとやっと旧道合流点に到達した。

 それから急登が続く戸渡尾根を休憩を2回採り、やっと尾根道に時40分、奥秩父縦走路へと飛び出た。本当に長かった急登も終わりここからは、快適なる尾根歩きで程なく木賊山山頂に着いた。ここで記念写真を撮ろうとしていたら、休んでいた若い男性が「お撮りしましょう。」と気軽に声を掛けてくれた。その好意に甘えて我ら3人、ハイポーズ パチリ。 私達もその方に「お撮りしましょう。」と返戻をする。浜のK,Kさんがデジカメのシャッターを切ろうとしたら、和美がその男性の傍に行きツーショット写真を撮ろうとしているではないか。「駄目ですよね。家に帰って家庭争議の基になるものね。」と和美がその男性の傍から笑いながら離れて、そんな行動に一同大笑いをし、和やかな雰囲気となる。これもまた、山でならの光景であろうか。

 そんな大笑いをし更に歩を進めて行くと“ガーン”、見えました。本当に拳を突き上げたような黒い甲武信ガ岳が、良く来たねとまるで手招きをしているようだ。そして砂利交じりの登山道を下ると本日のお宿甲武信小屋へ到着した。時に3時5分だ。それから宿泊の手続きをし、時間が早いので、甲武信岳山頂へと行くこととした。その途中でポッキッと買ったばかりのストックが折れてしまったではないか。幸にもダブルストックとして持参していたから明日歩くのには支障はないが、それでも実に残念だ。甲武信岳山頂に着くと多くの先客がその眺望に見とれており、「甲武信ガ岳」の表示板をアングルに入れそれぞれ記念写真を撮っている。ツアー登山で登ってきた大勢の方が、添乗員の山座同定に聞き入っている。空は空くまでも真っ青で、遠望すれば四顧にアルプスの峰嶺が見え誠に雄大なる眺めだ。

 そんな素晴らしい眺望を満喫し甲武信小屋へ戻り、先ずは寝る位置を確認し、それから階下に行き缶ビールで浜のK,Kさん、そして私達と今日の戸渡尾根の急登を振り返り「カンパイ」と眉衝をたたえその充実感に酔いしれる。そして銘酒澤野井、赤ワインと栓を抜き小屋の小屋番さんにも澤野井を振るまいストーブを囲んでの団欒のひと時となる。みんなそれぞれのコースからこの甲武信小屋目指し登り、ここに集結してこうして寛いでいるのだ。言わば目的は皆、同じなので、みんな山仲間といことで、楽しくすごしている。

 それから程なく夕食タイムとなり、山小屋では定番のカレーライスをお皿に盛りつけて貰い食堂へ行きそれを食べる。カレーライスを盛りつけて貰ったときに小屋番さんから「この方には先ほどお酒を振る舞って貰ったから多めに盛りつけてあげよう。」とサービス宜しく大盛りのカレーライスとなった。当に「魚心あれば水心なるかな。」だ。そんなカレーライスを食べて2回に行くが、別にすることもないので、ふとんに潜り込み休むこととした。何とまだ5時40分だ。こうして「一夜をいこう山男」とばかり眠りに着いた。 (-.-)Zzz





 11月1日(日)

 <行 程>

 甲武信小屋(6:20)⇒展望台(6:55)⇒西破風山(2318m・8:06)⇒東破風山下(9:17)⇒雁坂嶺(2289m・9:55)⇒雁坂峠(10:25)⇒峠沢の川原⇒なめら沢出会(13:20)⇒雁坂トンネル南口⇒雁坂峠入口バス停(14:05)=タクシー⇒塩山

 ≪遊歩記≫

 朝食を済ませザックを担ぎこの甲武信小屋ともお別れを告げ、11月1日、6時20分イザ、出発だ。小屋番さんは、これも営業テクニックであろうか。ハイカーの中年の女性達ひとり一人に玄関先で「また来てくださいね。」とあのごつい顔に眉衝をたたえて握手をしている。女性の中にはその小屋番さんとツーショットの記念写真を撮っている方がいたりして、出発前の小屋の玄関先は中々賑やかだ。昨日と同じ編制で、浜のK,Kさん、そして私達と晴れ上がった秋空の下快適に歩を進める。木賊山は体力温存のために巻道を取ることとした。今日は昨日の辛い戸渡尾根の登りと違い、尾根道を歩く秩父主脈縦走路なので比較的に歩きやすくそれだけに余裕を持ち歩くことが出来る。やがて徳狭山山頂からの尾根道の分岐点に到達した。

 尾根道を少し歩いて行くと視野が開けた賽の河原の展望の良い所に出た。晩秋の空は天高く真っ青に晴れ渡り、山行には誠に申し分のないお天気で、改めて《ゆーぽぴあ》の守護神、Yuporadorosuに感謝をする。ここで四顧の山々をデジカメでパチリと撮り、立ち休憩をして、更に岩交じりの歩きにくい尾根道を下って行く。そんな下りが終わるとやがて笹平の鞍部に到達した。ここには笹平避難小屋が建っており、登山客がそれぞれ休息を取っている。それにしても何と白く立ち枯れた木が多いのには驚かされる。大気汚染それとも酸性雨のためであろうか。確実に自然破壊が進んでいるのには、驚かされる。この緑に覆われた山谷もやがてはそんな立ち枯れた木々に変わって行くのかと思うとやるせない気持いっぱいになる。

 そんな感症モードを振り切り、本日のmain event「西破風山」の急登にChallengeとなる。何しろ昨日の戸渡尾根と匹敵する急登の西破風山の登りだ。「ヨッシャー、登ってやるぞ。」とお尻を叩き己に活を入れその急な登りに一歩一歩歩を進める。前を行く浜のK,Kさんは、余裕を見せて私達よりは大分先を歩いて行く。和美も私と結構間を開けて歩いている。何だ私だけがテンポが遅いようであるが、モウ、懸命に二人に追いつくために荒い息づかいで、それでも足取りは確かに歩いて行く。遠く眼下には広瀬湖がうっすらと光って見える。「ハーハーゼイゼイ」 (^^;)

 そんな悪戦苦闘の急登もやがて終わりとなり、「西破風山」の山頂に到達した。ここには多くの登山客がそれぞれ東西の縦走路からこのピークに到達し、安堵の思い出一本立てている。私達は休息も取らず更に歩を進めやがて「東破風山」に到達し、ふと、後ろを振り向けばドーントあの苦しかった登りの「西破風山」の雄姿が私達に「アバヨ。マタコイヨナ。」と別れを告げていた。それから緩やかな下りを快適に大股でドンドン下って行く。そしてピークである「雁坂嶺」を過ぎ樹林帯を抜け出て草原上の尾根道を下るとそこが南アルプスの三伏峠、北アルプスの針ノ木峠と並んで数えられる、日本三大峠の一つ「雁坂峠」についに飛び出た。モウここまで来れば後は下りだけなので、一安心とばかり昼食タイムを採ることとした。浜のK,Kさんが造ってくれたカップラーメンを美味しく頂き、まるで時間が止まったような空白の暖かな陽がが射すカヤトの原を眺めながらホッと一息つく。  (^o^)

 そんなカップラーメン、持参のパンなどを食べすっかりと休みを取り、サア、これから最後の一働き、長い下りの始まりだ。急下降をドンドンと駆け下って行く。ここら辺りは良く整備された参道なので大股に歩いても歩きやすく時間短縮にはもってこいの下りだ。やがてそんな下りが終わると沢縁に出てその沢沿いの道を歩いて行く。ここら辺りまで来ると大分左アキレス腱もダメージを受けていると見えて、痛みが出て来てしまったではないか。それにしてもここまでこのガラスのアキレス腱が良く持ったものだと有森裕子ではないが「自分をほめてあげたい。」とボッとして歩いていたら、ドスーンとばかりに何と路肩を踏み抜き転んでしまった。左足が完全に沢に落ちてしまい、あわや、滑落かと思ったが、何と悪運の強いことか。しっかりと身体は山道にあり無事であった。そんな背筋の凍る思いをし更に沢筋を歩き今度は川原に降りて、川を対岸に渡り更に沢筋を歩いて行く。

 そんな沢筋をどうにか歩き終えて、「ヤッター、バンザイ」舗装された林道に出た。ここでタクシーを呼ぶために和美が携電をかけてみるが、あいにくと電話が繋がらないエリアと見えて、応答無しだ。モウ、仕方がないので足を引きづり硬い舗装道路を歩いて行く。それでも進むに連れてどうにか携電が繋がったので、タクシーの運転手と話が出来、何でもこちらに直ぐ向かうとのことであった。しかし、先から大分歩いているのだが、そんなタクシーの来る気配は全くなく、ここら辺りで足の疲れが頂点に達し、モウ、気分がイライラモードとなり、「あの、運転手は何をしているのだ。地元だというの道が分からないのか。ふざけやがって。」と不満たらたらで歩いている。和美もかなり疲れていると見えて再度その運転手と携電で連絡を取るが、話がかみ合わず結局、何と雁坂峠登山口のバス停で待っているとのことであった。

 結局その硬い舗装路を疲れた足で、何てことはない歩き通してしまったではないか。どうも調子の良い運転手だったので、どこか頼りなかったがそれが的中してしまったのだ。そしてついに雁坂峠登山口バス停に着いた。そうしたら「済みません。どうも分からなかったもので、ご要望に応えられずごめんなさいね。」と私達を見るなりそのタクシーの運転手が、ニコニコしながら声を掛けるではないか。モウ、私も疲れており、文句の言葉一つするのも大義となり、黙ってタクシーに乗り込んだ。さすがは商売人、タクシーに乗るなり何かと運転手が話しかけてくる。こちらも何時しか心に余裕を取り戻し、運転手と何かと話をしながら、塩山で美味しいホウトウ鍋の食堂の場所を聞き、塩山駅でタクシーを下車し、そしてそのホウトウ鍋の食堂に行き、早速、冷たいビールで「甲武信ガ岳」登頂おめでとうとばかり乾杯をする。

 こうして今年一番のビックな登山であった「甲武信ガ岳遊歩」も浜のK,Kさん、和美そして私と3人の歩調がピッタリと合い無事にここに終了したのであった。  \(^O^)/  

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