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| ――――――――――――――――――――――――――――――――― 手関節と手指の病気
まず、あなたの手のひらと甲をつまんで見て下さい。 どうですか? 手のひらは「つまみにくい」ですね。 一方、手の甲は「つまみやすい」。 実はこれにも「大切な意味」があるんです。 人間が生活していく上で。 ◆手のひらの秘密 さて、もう一度あなたの手のひらを見て下さい。 手相ではありませんよ(笑) そして触ってみましょう。 どうですか? 次に少しつまんで引っ張ってみましょう。 何か気づきましたか? 実は手のひらには甲とは違って2つの特徴があります。 ■皮膚が厚く、移動性が少ない。 手のひらの皮膚は「物をつまむ」のに適しています。 それは皮膚が厚いからなのです。具体的には表皮にある角質層が厚い のですね。 これは物をつまみ易くしているだけではなく、外部からの物理的障害 からの「防御」という点でも意味があるのですね。 それから手のひらの皮膚は移動性が少なくなっています。 これは、手掌腱膜(しゅしょう けんまく)という皮膚の下にある組織 が靭帯や骨と連続しているからなのです。 ■発毛がなく、汗腺がある もう一度良く見て下さい。触って下さい。 「毛がない」ことがわかりますよね。全くありません。 代わりというわけではありませんが、手のひらには汗腺があります。 緊張すると「手に汗をかく」事がありますよね。 これは手のひらにある汗腺から発汗しているのです。 毛がなく、汗腺があってしっとりしているため、物をつかむさいに 滑りにくくなっているのです。 ◆手の甲の秘密 一方、手の甲の皮膚はどうでしょうか? つまんで動かしてみましょう。 つまみやすくて、皮膚の移動性も大きいですね。 発毛もありますね。 これにも深い意味があります。 ■皮膚が薄く、移動性が大きくゆとりがある 手の甲の皮膚に移動性が大きくてゆとりがあります。 そのため、「指が楽に曲げられる」のですね。 ■静脈やリンパ管の発達 手のひらと違い、甲の皮膚の皮下組織は疎であり薄くなっています。 また、皮膚静脈(ひふじょうみゃく)やリンパ管が非常に発達しています。 そのため、手のひらよりも手の甲の方が、外傷や炎症などで 腫れやすくなります。 そこで、対策を2つガイドしましょう。 まず、心臓より高い位置に挙げること。 そして手、指を良く動かす事です。 これにより筋肉が収縮して静脈の流れが良くなります。 ちなみに「足の腫れ」の多くもこれで効果がありますからお試し下さいね。 -------------------------------------- 手のひらと甲の皮膚でもこのような大きな違いがあるんです。 あらためて、人間の体の神秘を感じます。 **************************************************************** みなさんの指。曲げたり伸ばしたり出来ますよね。 でも、これは見事なまでに指の腱が機能しているからこそなんです。 今回はその「腱の秘密」についてガイドしましょう。 どんな秘密が隠されているのでしょうか。 ◆曲げる腱と伸ばす腱 さて、当たり前のように使っている指。曲げ伸ばしが簡単に出来ますよね。 これは「腱が上手く機能しているから」なんです。 では、「腱」とは何でしょうか? 腱とは「筋肉の先っぽの部分」です。 アキレス腱をイメージしてみて下さい。イメージ出来ましたね。 指の曲げ伸ばしをする筋肉は主に前腕(ぜんわん)にあります。 そして、手の中には何本もの細い腱が走って指に達しているのですね。 ◆指を曲げる2本の腱 実はみなさんの指を曲げている腱。この指を曲げる機能を司っているのは 長短の2本の腱です。 この2本の腱が機能して、指の先と真ん中の関節をそれぞれ曲げているのです。 では、この2本の腱はどのようにして指先に達しているのでしょう。 実は、短い腱は指の付け根の近くで二股に分かれています。その間を長い腱が 走り抜けているんですね。 少々わかりにくいですよね。 まず、あなたの左手でVサインを作って下さい。この2本の指が短い腱だと 考えて下さい。次に、右手の示指(ひとさし指)を立てて、それを左手のVサイン の2本の指で挟んで下さい。右手の示指が長い腱に相当します。 わ、わかりましたか?(汗) ◆伸ばす腱はハンモック? では、伸ばす腱は一体どうなっているのでしょう。 伸ばす腱はいくつもの薄い腱が複雑に繋がり合っています。 そして、指の曲げ伸ばしで少しですが広がったり縮んだりしているのです。 そうです。まさにそれはハンモックのようなものなんですね。 そして、絶妙なバランスをとっているのです。 ですから、外傷やリウマチなどでその一部が切れたりすると大変です。 その損傷部位によって特有の指の変形が起こります。 ◆見事なバランス作用 日頃、何気なく使っている指。 みなさんの指は表裏の何本かの腱が見事なバランスをとって 動いているのですね。 もちろん、あなたの指も絶妙なバランスがとれているんですよ(笑)。 ここにも隠された指の秘密があったのですね。 ホントに良く出来ていますね。 **************************************************************** さあ、今回はその腱の病気。中でもみなさんに大変身近な 「腱鞘炎(けんしょうえん)」についてガイドしましょう。 ◆2種類の腱鞘(けんしょう)? そう、この腱鞘炎。聞いた事ある人は多いと思います。でも、説明すると なるとなかなか難しいですよね。 腱鞘炎を理解するにはまず、「腱の構造」を知る事から始めましょう。 腱は腱鞘(けんしょう)という鞘(さや)に包まれています。 そしてこの腱鞘には2種類あります。 ◆滑膜性(かつまくせい)腱鞘 腱の周りには滑膜性腱鞘という鞘があります。 これは滑液包(かつえきほう)とも呼ばれ袋状の組織です。 まさに読んで字の如く。 中には滑液が少量入っていて、「腱の動きを滑らか」にしているんですね。 ◆靭帯性(じんたいせい)腱鞘 さらにその滑膜性腱鞘の周りにあるのが靭帯性腱鞘です。名前からして 何だか硬そうですね。 この鞘は指を動かした時に、腱が浮き上がらないように押さえつけている 役割をしています。 ◆腱鞘炎とは? さあ、ここで問題です。 そもそも、「腱鞘炎ってなあに?」 答えはずばり... → 腱鞘炎とは「腱と腱鞘がこすれて炎症が起こる病気」なんです。 では、具体的にはどのように起るのでしょうか? ◆腱鞘炎が起る仕組み 指を動かしてみましょう。私もPCのキーボードを叩いていますから 当然、指は動いていますね。 そうすると、腱と腱鞘がこすれ合います。 ここで先ほどの2つの腱鞘を思い出してください。 腱と靭帯性の腱鞘は硬い組織です。でも、その間にある滑膜性の腱鞘は 軟らかい組織です。 そのため、腱と靭帯性腱鞘がこすれると、その刺激をもろに受けてしまう のです。そこで「滑膜性の腱鞘に炎症」が起るのですね。 硬い組織に挟まれている軟らかい滑膜性の腱鞘は「炎症を起こし易い」 のです。 ◆どこに起るの? 腱鞘炎は、腱鞘のあるとこであればどこにでも起ります。 でも、もっとも多く起るのは手の指ですね。そして利き手。なかでも 「おや指」に一番多く発症します。 腱鞘炎といっても奥深いですよね。全貌が明らかになるには、 もう少し奥地まで踏み入れないといけないようです。 今週の散歩はここまでにしましょう! **************************************************************** ◆腱鞘炎(けんしょうえん)の原因 原因の最たるものは何といっても「使いすぎ!」です。 当然、手や指を使うことが多ければ、腱と鞘のこすれる機会は多く なりますよね。 ゴルフやテニスなどのスポーツも原因になりますからご注意を(^^; ただここで重要なことをガイドしましょう。 それは「女性に多い!」という事です。 これは更年期や妊娠・出産などにより女性ホルモンのバランスが乱れて 手指にむくみを生じるからなんです。 ◆腱鞘炎(けんしょうえん)の症状 さて、滑膜性の腱鞘に炎症が起こると.... ●指を上手く動かせない ●動かすと痛い ●指が腫れる などの症状が出ます。そして時に、進行すると.. → 指を曲げ伸ばしすると引っかかる(感じ) ↓ ↓ ↓ ◆「ばね指」とは? そう!腱鞘炎の症状の一つです。 「指を曲げ伸ばしすると引っかかる」 これを「ばね指」といいます。 ばね指とは以下の流れで起こります。 指を曲げる腱(これを屈筋腱といいます)の腱鞘炎が進行すると... 1)滑膜が腫れて、滑液が滑膜性腱鞘に溜まります。 2)その滑液が指を曲げた時に指の付け根に溜まります。 3)溜まった滑液が小さなコブ(小結節)をつくります。 4)指を伸ばそうとすると、その小さなコブが靭帯性腱鞘に 引っかかります。 そして... 指を伸ばそうとすると「引っかかる感じ」や指が「はじかれる感じ」 になります。 それが、まるでばねのように「カクン、カクン」となるので 「ばね指」といわれているんですね。 さあ、これで腱鞘炎とばね指がよくわかったでしょうか。 **************************************************************** みなさんの生活にとても身近な「腱鞘炎」。経験された人も少なくない ですよね。 では、実際に腱鞘炎になったらどうしたらいいのでしょうか? 今回は腱鞘炎の治療についてガイドしましょう! ◆腱鞘炎(けんしょうえん)の治療 さて、腱鞘炎の治療には大きく分けて2つの方法があります。 一つは「保存的治療」・・・手術をしない方法 そして「手術治療」・・・・手術をする方法 この2つです。 でも、ほとんどの場合は「保存的治療」で改善されますのでご安心を! ◆保存的治療 一般的に、まず「保存的治療」を試みます。 原因を思い出して下さい。 そう、「使い過ぎ」でしたよね。 ですから最初の治療法は... ▼なるべく動かさない! これが一番大事です。でも、仕事や家事で使わないのは難しいですよね。 ですから、「無理の無い範囲で安静を心がける」ようにしましょう。 少しずつ楽になりますから。 ▼鎮痛剤の使用 手指の腱は皮膚から浅いと所にありますから、痛み止めの成分の入った 「湿布」や「軟膏」が結構効果的です。ぜひ、試して下さいね。 時に内服薬も使いますが、内臓に負担のかかることもありますので、 主治医とよく相談して使いましょう。個人的にはあまり薦めません。 ▼注射(ステロイド薬) 症状の強い場合は、腱鞘の内部に抗炎症作用のあるステロイド薬を直接 注射します。1回の注射で劇的に良くなる事もあります。改善されない 場合は1週間ほど間隔をあけて3〜4回行う事もあります。 基本的に、あまり注射を繰り返して行うのは良くありません。 ◆手術治療 残念ながら、保存的治療で効果が無い場合や、何度も繰り返したり、とにかく 早く治したい場合。最終的には患者さんが希望すれば手術が行われます。 一般的には、局所麻酔で行います。腱を圧迫している腱鞘を切り開いたり、 一部切り取ったりするんですね。これで痛みや引っ掛かりはなくなります。 手指の腱鞘炎であれば10〜15分ほどで終わる比較的簡単な手術ですから ご心配なく! もちろん、一般的に入院の必要はありません。 ◆日常生活上の注意! 最後に日頃気をつけるといい事をガイドしましょうね。 何度も繰り返しますが、腱鞘炎の多くは「使い過ぎ」つまり「負担が掛かり過ぎ」 なんですね。ですから、次の3つの点に注意してみて下さい。 1)手指の付け根への負担(刺激)を避けましょう! 重いものを持つ際には、バッグを肩にかけたり、背負うタイプにしましょう。 また、ゴルフやテニスも原因の一つです。症状の強い時は程ほどに(^^; 2)細かい作業は程ほどに! パソコンや編み物など、趣味でついつい長時間続けてしまう事があります。 気持ちはわかります。でも、時に休憩をとりましょう。 3)むくみのある時は手を高く! 時に指がむくんだりします。その時には、心臓より手を高くしましょう! むくみが取れ易くなりますよ。 **************************************************************** ◆さて、今回から手指の変形性関節症(へんけいせい かんせつしょう)を ガイドします。 変形性関節症と言いますと、膝や股関節に起るものが多く知られています よね。でも、手指の関節にも起こります。←知っていました? まず、あなたの指。そしてご家族、友人・知人の指を見て下さい。 そして、関節に注目ですよ〜。 ◆手指の変形性関節症(へんけいせい かんせつしょう)とは? 関節には骨を覆うように軟骨(なんこつ)がありますが、その軟骨部分が 磨り減ってしまいます。 そのため、指に痛みや変形が現れてきます。 ■どうして? 主な原因はずばり! 「関節の老化」←きっぱり。 また、「指の使いすぎ」も発症や進行に関係していると考えられています。 ■誰に? 誰でも起る可能性があります。が、「更年期以降の女性」に圧倒的に多い! これが特徴です。一つの関節だけでなく、複数の関節に発症する事も多く あるんですよ。 ◆手指の変形性関節症にはどんな種類が? 実は、手には指関節をはじめ、いくつもの関節があります。ですから、 どの関節にも発症する可能性があります。 では、ここで質問です。その中でも特に起り易い3つの関節があります。 そして、それぞれに病名が付けられています。 わかりますか〜? では、発症し易い3つの関節を順にガイドしていきましょう。 ▼ヘバーデン結節 指先から1番目の関節に発症した変形性関節症です。 これがもっとも多く起る関節です。 まずは、指先をチェック!ですね。 ▼ブシャー結節 これは、指先から2番目の関節です。 でも、このブシャー結節。単独で起ることは少なく、多くはヘバーデン結節 に伴って起ります。 ▼母指(おやゆび)の付け根の関節 (母指手根中手関節) これは、親指の付け根にある関節です。 母指手根中手関節(ぼし しゅこん ちゅうしゅ かんせつ)なんて難しい 名前が付いています。もちろん、覚える必要なんてありません(^^; 以上の3つの関節に起りやすいのです。 ですから、あなたの指。ご家族、そして友人・知人の指を良く見て あげましょうね。 変形はありませんか? 痛がっていませんか? 更年期以降の女性に多いこの病気。指の第一・第二関節、そして親指の 付け根の関節に多いのが特徴です。←先週の復習 では、どんな症状が出てくるのでしょうか? そして、その治療はどうすればいいのでしょうか? ◆手指の変形性関節症(へんけいせい かんせつしょう)の症状 関節には骨を覆うように軟骨(なんこつ)がありますが、その軟骨部分が 磨り減ってしまいます。クッションがなくなってくるんですね。 そのため、指に「痛み」や「変形」が現れてきます。 ■初めの頃の症状 まず、痛みや腫れ、熱感が起ります。時に発赤(ほっせき)といって赤い 発疹のようなものがでる事があります。 殆どの場合、「動かすと痛い!」といった症状です。 物をつまんだり、握ったり、持ち上げたり。 逆にあまり動かさなければ、この時期はさほど痛みは生じません。 ■進行した時の症状 どんどん軟骨が磨り減ってくると、関節が動かなくなってきます。そして、 さらに進行すると変形が生じてきます。 指が伸ばせなくなったり、関節の変形が進み、横に曲がってしまう事も あります。 時に、関節に内部が透けた「いぼ」のようなものができることがあります。 これは「粘液(ねんえき)のう腫」といって関節を包んでいる袋の一部が 飛び出たものなんです。 ■変形した関節の末路... 指の変形性関節症のほとんどは、数年で進行が止まります(ホッ!) 痛みも治まります(ホッ!!) でも、変形だけは残ってしまいます....(-_-; ◆手指の変形性関節症の治療 殆どは保存的治療を行います。つまり手術はしない方法ですね。 次の4つの方法が一般的です。 ▼患部を動かさない 痛いところを動かさない! ←これ治療の基本なんです。 布製のテープなどで固定すると効果的です。 身内で困っている方がいたら教えてあげて下さい。そして、何より 家事や料理など手伝ってあげましょう! ←これ愛情の基本です(笑) ▼外用薬を塗る 患部に湿布や軟膏を塗るのも効果的です。炎症をおさえ、安静にも 役立ちます。 ▼温めましょう 入浴などの際に、よ〜く温めてみましょう。 ▼飲み薬 痛みが辛い時。飲み薬が必要になることもあります。 そして、何をしても痛くて痛くて... その場合に手術が行われます。 関節の場所にもよりますが、痛みが出ないように関節を固定したり、 人工の関節に置換することがあります。 ただ、その場合は良く主治医の先生と話し合ってみましょうね。 **************************************************************** ◆さて、今回は手や手の甲に多く出来る「こぶ」のお話です。 「こぶ」とは整形外科では腫瘤(しゅりゅう)と言います。 その中でも特に多くみられるのが良性の「こぶ」である「ガングリオン」 です。 では、ガングリオンとは一体何でしょうか? ◆ガングリオンとは? ガングリオンはゼリー状の物質が溜まった良性のこぶです。 このガングリオン。体のどこにでも出来ますが、なぜか手首に良く出来ます。 硬くて弾力性があり、球体をしているのが特徴ですね。でも、小さいものや、 体の奥に出来たものはなかなか気が付かない事もあります。 10〜30代くらいの若くて活動的な人に多く見られるのも特徴です。 ◆原因は? ずばり...良くわかっていません。 ただ、靭帯を構成する繊維が損傷して、その隙間に粘液がたまると考えられて います。 ◆症状は? ほとんどは「こぶ」以外の症状はありません。ただ、時としてできた場所に よってはガングリオンが神経を刺激して、痛みやしびれが生じる事があります。 ◆治療は? 基本的には「放置」。つまり放っておいていいのです。ただ、確定診断のため には、こぶの内容物を注射器で吸引して、それが粘液状のものであるか確認 するのがいいでしょう。それが治療にもなりますから。 しかし、吸引しただけでは一時的に良くなりますが、再発が多いのですね。 ですから、あまりに再発を繰り返したり、痛みやしびれがあったり、外見が 気になる場合は手術が選択されることもあります。 ただ、あくまでも「良性」の病気です。 あまり、気になさらずに! **************************************************************** |