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 Enjoy《ゆーぽぴあ・遊歩記》

       第54回遊歩
 ≪晩秋の一日・四方から登山道が
  山頂を目指す人気の山を歩こう≫

     川苔谷〜百尋の滝〜川苔山〜







  遊歩日:   2007年11月3日(土・文化の日)
  遊歩先:   川苔山(1363,3m・山域 奥多摩)
  参加者:   総数 6名  金川 勝夫・和美 他4名
  天 候:    曇りのち晴れ
 
  <行程>

 新宿{6:44[12番線]中央線中央特快(高尾行)1,050円}→三鷹(6:57)→立川{7:12着・7:15発青梅線(青梅行)}→青梅{7:50着・7:52発青梅線(奥多摩行)}→奥多摩(8:28着・8:50発)―バス→川乗橋(9:25)→細倉橋(9:55)→百尋の滝(11:15)→足毛岩ノ肩分岐→足毛岩ノ肩→川苔山(13:30)―5分→東ノ肩→舟井戸→大ダワ→大根ノ山ノ神(16:10)→鳩ノ巣駅(16:50)→立川(日本海庄屋宴席)

  ≪遊歩記≫

 奥多摩駅で下車し、駅の改札口を出たら秋の連休だけに紅葉を求めてのハイカーや観光客が大勢でとても賑やかだ。東日原行きのバス停には、既に大勢の方が列を成しバスの来るのを待っていた。私達はそんな行列の最後尾に並ぼうと歩いていたら、六つ星山の会の会員で老楽山岳会の会員でもあるMさんにお会いした。何でもこれから一杯水小屋を経て秩父の山へ行くそうである。時たまこうして以前交流のあった山仲間に遭遇することがあるが、とても懐かしく嬉しいものだ。

 乗客が多いために臨時バスが増発をされ、私達はそのバスに全員座って川乗橋のバス停まで行くことが出来た。バスを下車すると既に何組かのハイカーが登山支度をしており、私達も登山支度を済ませNavigatorの横浜のK,Kさんを先頭に第1班は私とまたおなじみのS,Mさんがその後に着き、後3人が第2班となりイザ、川苔山山頂を目指し意気揚々と出発をした。お天気はすっきりとした秋晴れとは行かないが、薄曇りの温かな秋の陽射しが、照り輝き吹く風も実にさわやかでとても気持がよく当に登山日和の日である。

 それではこの川苔山について、少し話をしてみよう。

 [川苔山]

 川苔山または川乗山(かわのりやま)は、大岳山、三頭山、御前山の奥多摩三山と並んで、人気の高い多摩川北岸の名峰。東京都西多摩郡奥多摩町にある標高1364mの山。奥多摩山域の中では四季を通じて比較的登山者が多い山。奥多摩町役場から北におよそ5kmのところにあり、埼玉県との県境にも近い。この川苔谷から川苔が取れたので、川苔山と命名されており、川乗山よりは川苔山が正しいようである。
 この山は比較的山奥まで沢が流れている。そのためか、山奥まで造林用の林道や小屋の礎があり、山頂付近には茶屋もあった(現在は廃業しており廃墟同然の状態になっているが、中に入れるようにはなっている)。また、獅子口小屋跡の湧き水は東京都の湧水57選に選ばれた名水だ。

私はこのコースを歩いたのは、確か10年前になるだろうか。来し方を振り返れば、単独行のハイカーが、携帯ラジオを聞いていて、イギリスのダイアナ妃が交通事故で亡くなったと私達に教えてくれたのだった。そんな10年前はこの歩いている林道も未舗装だったのだが、今は立派に舗装をされ延々と伸びている。これも時代の変遷、時の流れであろうか。

 この川苔山は今年の《ゆーぽぴあ》では、最もロングコースの体力を要する遊歩で、それだけに二、三のyuupolerの参加をお断りして少数精鋭で望んだのだが、果たしてこの先どうなることやら、暗くならないうちに鳩ノ巣駅まで辿り着けるだろうかが、一抹の不安だ。

 そんな思いを巡らし私達は川乗橋から約、35分、歩を進め登山口のある細倉橋に到着をした。ここで小休止をし、気合いを入れ直してから川苔谷の右岸に沿って狭い登山道を上って行く。ここまではS,Mさんも順調に歩いており、きっとこの川苔山の登山に備え普段から相当に鍛錬を積んで本番に望んだのだろう。川苔谷の渓流はとても綺麗で、緑の中に時たま紅葉した木々と渓流のコントラストがとても映えそんな渓谷美に見とれてしまった。

 いつの間にか薄曇りの天気からすっかりと晴れ秋風が頬を撫でとても気持ちの良い快適登山だ。しかし、そんな思いもつかの間で、川苔谷に掛かる木橋にさしかかった。木場氏はしっかりとしており、その幅も1mは有り橋の床面は細い木で組まれ隙間が無く出来ているのだが、昨日降った雨のためかとても滑りやすくお負けに下を見れば白く蛇行する渓流が見え後ろにはS,Mさんが着いており、否が応でも緊張をする場面だ。

 そんな木橋をソロソロと渡りホッとする。それから今度は崖に作られた狭い登山道をへつるようにしてS,Mさんをサポートをしながら歩くのだが、Navigatorの横浜のK,Kさんが先に歩きその後を私とS,Mさんの二人連れで何せバックサポーターが着いておらずもし、S,Mさんがグイッと私のザックにつけてあるサポートロープを引っ張ったらと思うと冷汗で脇の下がビッショリとなってしまった。

 そんな川苔谷に掛かる木橋の左右対岸の通過を少なくても4回は繰り返しただろうか。その間にS,Mさんも怖いのと脚力が大分疲れてきたためかグッグット私のザックの背につけられたサポートロープを引っ張ってくる。私もしっかりと構えているときには、いくら引っ張られてもダブルストックでがっしりと受け止めるのだが、気を抜いているときにいきなり引っ張られると思わずよろけてしまい下は千尋の谷だけに緊張は頂点に達してしまう。それで思わずS,Mさんに「オイ、引っ張らずに歩け」と大声を出してしまった。

 そんな悪戦苦闘の末、最後の難所、先日の台風のために木橋が流されてしまいその結果、橋の修復がまだされておらずその為、大石がゴロゴロとする川原に降りて川を渡渉することとなってしまった。それでもそんな悪場の所を何とかS,Mさんを対岸に渡らせそんな谿谷ともお別れをし、急登を辿りやっと第2の目的地「百尋の滝」の分岐点に到達をした。時間があればその分岐点から「百尋の滝」を見てくるのだが、時間もなくもうS,Mさんも結構疲れており、ここで大休止を採ることとした。

 Navigatorの横浜のK,Kさんの細かい気配りで、バナナ、カロリーメイト、スコンブ、飴等々が皆さんに配られる。そんな補給をした後、この先まだ歩程は長いので、早々に出発をすることとした。この分岐からは直登という感じで急登の連続となり、その度にS,Mさんが辛いのかサポートロープを引っ張ってくる。彼のペースでゆっくりと歩けば 良いのだろうが、私もNavigatorの横浜のK,Kさんの指示に従い歩いているので、常にNavigatorの横浜のK,Kさんと間を空けてはいけないとしっかりと着いて行く為、二人のペースに着いて来れずにへばってしまうのだろうが、グループで歩く際には、やはり、みんなと一緒に歩けるだけの体力、脚力は十分に持っていなければグレードの高い山には行けないだろう。


 そんな急登も終わり登山道も平となってS,Mさんの息も整いヤレヤレとばかりに着いてくる。そしてまた、何時しか谿谷に出てその狭い登山道を歩いていたらS,Mさんが路肩を踏み外しザッザッと音を立てて転んでしまった。私もその煽りをくって尻餅をついてしまった。この場所は狭いがそんなに緊張するところでもないので、私も別に指示をしなかったのだが、S,Mさんの歩き癖で路肩に足が掛かってしまったのだろう。ヤレヤレ、それにしても一丁、間違えれば谷に落ちてしまうと思うとゾッゾッッと背筋が寒くなってしまった。

 そんな怖いハプニングをし、更に歩き燧石谷の源流に出て沢に沿って歩く。そしてこれから急登となるので、S,Mさんの調子を見てNavigatorのK,Kさんに休憩を採るようにお願いして、ここで一休みをすることとした。そして休憩をしその急登を歩いていたのだが、S,Mさんの息が上がってしまい歩くのがやっとという感じだったため、S,Mさんをトレードに出しK,Mさんとサポートを代わり私はO,Sさんのサポートをして避難小屋が建つ川苔山東ノ肩に着きそこから人登りをして川苔山山頂に到着をした。時に1時27分。それでもどうにか2時前に到着をしたので先ずはヤレヤレだ。

 ここで缶ビールで乾杯をし各自のお弁当を食べての昼食タイムだ。辺りはモヤが立ちこめ視界は余り無く季節はやはり、11月だけにじっとしていると肌寒く兎に角、鳩ノ巣駅にはどうしても暗くなる前の5時には着きたいので、昼食も早々に食べて下山開始となった。下山はS,MさんのサポートをNavigatorK,Kさんにお願いをし私はS,Mさんの後に着いて歩くこととした。しかし、下りとなるとS,Mさんの早いことたちまち下って行くではないか。一体、あの登りの時の様子は何だったのだろうか。

 途中2回ほど休憩をし、下山の最終目的地「大根の山の神」に4時10分に到着をした。そしてここで休憩を採ることとした。ここから鳩ノ巣駅まで40分ぐらいだろうから5時には駅に着けるのでヤレヤレ、一安心だ。休んでいたらO,Sさんから「イヤー、それにしてもS,Mさんは下りは早いね。とても追いつけないよ。恐れいりやした。」と話をしたので、その言葉を頂きK,Mさんが「普通世の中には、登山家はいるが、S,Mさんは立派な下山家だよ。」と言ったのでそんなジョークに一同大笑いをしてしまった。

 それから順調に下山をし鳩ノ巣駅で缶ビールを買い求めそれで長かった登山の無事を祝し乾杯をして電車に乗り込み更に名残惜しいので、立川の居酒屋で宴を催し色々と反省をして良きご機嫌でそれぞれの家路を辿った。

                                 オシマイ