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2007in北八ツ越年山行


  唐沢鉱泉から中山峠を                                     越え稲子湯へ



 山行日:   2006年12月31日〜2007年1月1日・2日
 山行先:   中山(2449m 山域 北八ツ)・唐沢鉱泉・稲子湯
 Member:   金川 勝夫・金川 和美
 天 候:   三日間とも晴天


 12月31日

 《行 程》

  立川(10:34発・特急あずさ55号)→茅野(12:25着)―送迎バス→唐沢鉱泉(13:35着)

  ≪山行記≫

 2006年の正月の越年山行で、唐沢鉱泉に泊まり、翌、元旦にはバリエーションルートで西天狗岳にいたり、東天狗岳から猛烈な風の中を硫黄岳を越え、暗くなってから硫黄岳山荘に到着しそこで宿泊をして、二日には美濃戸口に向かって下山をした。この時は兎に角硫黄岳の登りがとても辛かった。

 その時に泊まった唐沢鉱泉の雰囲気がとても良かったので、2007年の今年もこの唐沢鉱泉に泊まり、元旦には東天狗岳に登って中山峠から下山をし、みどり池を経て稲子湯に泊まって二日に帰宅をするという計画で再び唐沢鉱泉に訪れた。愛想の良い宿の女将さんが「金川さんいらっしゃい。」と出迎えてくれた。只、「いらっしゃいませ」と出迎えてくれるよりは、こうして「なになにさん」と固有名詞を用いて出迎えてくれるのはやはり、気持ちの良いもので、こんなところにも営業的な気配りがあるのかも知れない。

 そう言えば去年の夜のお楽しみタイムでは、ビンゴーゲームで1等賞となり、角のついた鹿のなめし革を景品に貰ったが、今年は何が当たるのか実に楽しみだ。去年来たときにこの辺を散策したので、風呂にはいるのにはまだ早いから今年はゆっくりとコタツに入り唐沢鉱泉で購入した赤ワインを二人での見ながら窓外の銀世界を眺め今年一年の様々な事を回想する。それにしても今年は《ゆーぽぴあ》では、北は岩木山、南は大台ヶ原山と実に良く出かけたものだ。そうか。二人だけでの旅行はしていなかったことに改めて気がついた。来年は一つ、二人でビックな山行をやってみるか。

 気がついたらすっかりと二人で赤ワインの瓶を空けてしまった。良いご機嫌になってきたので、入浴の時間も丁度良いので温泉にはいることとした。この源泉はかなり冷たくその為、加熱をしやや厚めの温度がとても気持ちよく五体が伸び伸びとして何だか一年の疲れが取れるような気がした。一緒に入浴をしているお客さんも中高年が多く皆さん、大晦日というこの一年の最後の日なのですっかりとリラックスをして笑顔で温泉を楽しんでいる。温泉大好き人間の私はゆっくりと温泉に入り、身体の芯まで温まると途中風呂から出ては真水を頭からバシャ、バシャとかぶりまた、温泉にはいる。そんなことを2回ぐらい繰り返しようやく風呂から出て部屋に戻った。

 やがて6時の夕食時となり食堂に行くと大勢のお客さんが既に席に着いており、それぞれ談笑をしながらご馳走に箸をつけ宿の振る舞い酒を飲みながら大晦日の夜を楽しんでいる。鹿サシ、イワナの甘露煮、山菜の煮物、キノコ類、猪鍋等々山の幸のオンパレードだ。私も樽酒の振る舞い酒を飲みながらそんなご馳走に箸をつけ、その味に舌鼓を打つ。昼間飲んだ赤ワインがまだ効いており、そこへお酒が入ったのでもう、すっかりとご機嫌になってしまった。そんなご馳走も統べていただいたので、部屋に戻り8時からのお楽しみタイムまでコタツに入りウトウトとしていた。

 「皆さん、これからお楽しみタイムの時間です。どうぞ、食堂へお出でください。」という館内のアナウンスに起こされ食堂に向かう。もうお客さん達は、すっかり出来上がっており賑やかなる雰囲気でこれからの抽選会、ビンゴーゲームの景品が何が当たるか胸躍らせているようだ。樽酒を飲みながら先ずは抽選会の三角籤を開いてみる。何と私は7等賞でパックの紅茶だった。和美は4等賞で赤ワインだった。そんな抽選会が終わるといよいよビンゴーゲームの始まりだ。

 宿の方が数字を読み上げ、その度に「ウーーン」とか「あった。」とかゲームが進むにつれ「リーチ」の声がお客さんから発せられる。やがて最初に子供が「ビンゴー」と数字が揃い景品を貰った。私達は今年は付いていなく「リーチ」すらならなかった。そんなビンゴーゲームも佳境にに入り1等賞の宿泊券を引き当てたおばちゃんでゲームも終わったので部屋に戻りタオルを肩に温泉に入るため風呂場へと向かった。幸にも風呂場には誰もおらず悠々と温泉に頚まで浸かり行く年、2006年に別れを告げた。  (^_^)

 1月1日

 《行 程》

 唐沢鉱泉(8:25発)→1回目休憩(9:45)→黒百合ヒュッテ(10:35)→中山山頂(11:35)→本 沢鉱泉と夏沢峠の分岐(13:15)→みどり池(13:30)→稲子湯(15:05)

  ≪山行記≫

 朝風呂に入り朝食でお正月に相応しくお雑煮を食べてから、2007年の最初のこの日、白銀に輝く北八ツの東天狗岳を目指し雪山登山の開始だ。それにしても去年は東天狗岳の手前の西天狗岳をバリエーションルートを登ったが、このルートがかなりの急登でその為、体力を使ったためか、西天狗岳の山頂近くまで来ると体力の消耗が激しく時間がかかってしまい東天狗岳を超え硫黄岳の登りにさしかかった辺りからは、もう、バテバテで本当に一歩、一歩進むのがやっとであった。おまけに風が強く段々と陽が暮れてきて、心細いことしきりであった。

 そんな去年の登山と比較すれば今年は、同じ東天狗岳に行くのにも黒百合平を経ての一般ルートであるから登山も楽である。唐沢鉱泉に別れを告げ少し歩いて行き、沢にかかる一つめの橋が去年登ったバリエーションルートの登山口だ。その橋を見送り二つめの橋が架かる所を渡って行く。ここが東天狗岳への一般ルートの登山口である。凍り付いた橋桁を注意して渡る。ザックザックとアイゼンの音を立てて雪の斜面を軽快に登って行く。元旦に相応しい日本晴れの晴天で外気もヒンヤリと冷たく実に気持ちが良く綿帽子をかぶった木々がメルフェン的な風景を演出しており、私達二人はおとぎの国を冒険している旅人宜しくその自然の美に溶け込んで歩いている。

 登るにつれて積雪も段々と深くなり、行きも純白でそれが旭に輝き実に素晴らしい眺めだ。一年ぶりの雪山登山だが、雪山は魅力満点で私は四季を通じて雪山の登山が一番好きだ。登り始めてから1時間20分ばかり経ったので、ここら当たりで一本立てての休憩だ。辺りは綿帽子をかぶった樹林帯で視界はなく吐く息も白く立ち止まっていると汗をかいた身体には、その汗が冷えて一団と寒さが応える。

 休憩を採り体力、活力共に充実したのでまた、ザックザックとアイゼンを効かせ斜度がきつくなった登山道を歩いて行く。しかし、一般ルートとはいえ高度を増す事に足取りも重くピッケルを突く手に力が入ってくる。やがて樹林帯を抜け辺りが広々としておりここが目指す黒百合平だ。ここには黒百合ヒュッテという山小屋が建っており、その小屋の周辺には登山者が休憩を採っており、東天狗岳へ向かうのであろうか。それにしてもここは実に寒く暑い手袋をしていても指の先がじーんと痛いようだ。

 時間を見ると既に10時30分になっており、ここから東天狗岳を往復し更に中山峠から下山をして、稲子湯に向かうのには時間がかかるので東天狗岳はパスをすることにした。東天狗岳の山頂を見ると雪煙が舞い上がりかなりの強風が吹いているようで、そんなこともパスの一つの理由になっている。長く立っていると寒さが応えるので早々に出発をし平らな道を中山峠に着いた。この峠から中山山頂に行き北八ツの大パノラマの展望を楽しみながらインスタントラーメンの昼食で空腹を満たす。東天狗岳、西天狗岳がくっきりと白く輝き威風堂々と屹立している。遠くには硫黄岳だろうか白く見える。実に素晴らしい北八ツの雪の大パノラマだ。

 そんな景色を眺め再び中山峠に戻りここから下山開始となって、今日のお宿稲子湯へと向かう。中山峠からの下山路は実に斜度がきつく神経を使いながら慎重に足を出し下って行く。ここで転んだら間違いなく下まで落ちて行くのは確実であろう。そんなショッパイ箇所も無事に通過し、後は快適な雪山漫歩だ。途中の夏沢峠と本沢鉱泉との分岐点で休憩をし、みどり池に到着する。当然みどり池は白く凍っており、池の傍らに新しくなったシラビソ小屋が建っている。この小屋は最近人気急上昇でリピーターも多く訪れこの付近の自然を楽しんでいる。

 小屋を過ぎ登山道を下って行くのだが、既にアイゼンを外しているために結構下る際に滑って転んでしまった。雪山よりも技術を要する下りで侮れないものがある。唐沢鉱泉を出発してから約、5時間、ここら当たりからマラソンで痛めた古傷の左アキレス腱が痛みを発してきた。2月18日には「東京シティフルマラソン」に出場が決定をしているのだが、果たしてこのアキレス腱の現在の調子だと練習の時間も考慮すると参加出場が懸念される不安の気持ちがよぎってきた。

 更に車道と近道の登山道を下って行きやっと3時過ぎに稲子湯へと到着をした。ヤレヤレ、これで温かい温泉に入り、生ビールが飲めると思うと疲れた身体もシャンとして玄関を入り、受付を済ませ部屋に行く。早速汗で濡れた服を脱ぎ浴衣に着替え風呂場へと向かう。この稲子湯には過去3回ばかり訪れているが、山小屋風の建物は風情があり、温泉も肌に心地よく私のお気に入りの温泉の一つだ。そんな温泉にドップリと浸かり雪山歩きの疲れをほぐす。この温泉は飲泉も出来、飲んでみると渋味があり胃腸がピリッとして、疲れた胃腸には何だか良いようで今晩のお酒が美味しく飲めそうだ。

 温泉に入りサッパリして部屋で寛いでいるとほどなく夕食タイムとなり、食堂に行くと唐沢鉱泉よりは宿泊客は少ないが、皆さん、元旦のひと時を談笑しながら食事を楽しんでいる。そんな食事だが唐沢鉱泉に負けないようなご馳走がドーンと並び豪華な夕餉の至福の一時だ。早速生ビールを注文し、それをグビグビグビと一気に飲み干す。「ウーーン、ウンメイ」今日は6時間も雪山を歩いたのでそんな疲れた身体には、生ビールが最高で、生きている喜びを思わず感じてしまった。しかし、この瞬間はいつも生きている喜びを感じているが、一体過去、何百階感じてきただろうか。

 この稲子湯は、親子三代で経営をしているのだそうで、最近は泊まり客が少なく経営的にも苦しいとオバアチャンが受付でこぼしていた。確かに登山客はここに泊まらずにシラビソ小屋まで行ってしまうのかも知れないし、観光客はこの辺りには別段見るところもないので足が遠のいてしまうのであろうか。そんな経営的不安もあり、サービス満点で宿泊代金も正月だというのに9千円で、食事も豪華である。生ビール、ワイン、地酒等々を飲みご馳走もすっかりと食べたので「ご馳走様でした。」と宿の方に挨拶をして、部屋に戻りコタツに当たりゴロッと横になりテレビを何となく見ながら1時間ばかり寝てしまった。そして、お決まりの温泉にゆっくりと入り、良く温まったせいか、疲れも手伝って爆睡をした。

1月2日

 《行 程》

 稲子湯(10:37発)→小海駅(11:14発)→小淵沢(12:28着・13:02発あずさ13号)→立川(14:  28着)→吉祥寺

 ≪山行記≫

 今日は越年山行も終わり、只、帰宅をするだけだ。朝風呂に入りここでもお雑煮を食べて送迎バスで小海線の小海駅まで送ってもらいこの小海駅から小淵沢駅であずさ号に乗り換え吉祥寺駅で下車し夕食に回転寿司でお寿司をたらふく食べて帰宅をした。

 また、来年の越年山行も温泉に入り雪山を歩きたいものだ。  (^_^)