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Enjoy《ゆーぽぴあ》

☆★☆《紅葉の出羽三山と蔵王の山旅》☆★☆



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 山行日:  2004年10月9日(土)〜10日(日)〜11日(月・体育の日) 2泊3日
 山行先:  出羽三山(月山・湯殿山・羽黒山)&蔵王
 天 候:  台風の影響で雨後曇りの天気であったが、山行にはさほど影響はなかった。
 メンバー  金川 勝夫 金川 和美 他6名

10/08(金)〜09(土)

【行程】
 渋谷マークシティ前(夜行高速バス・22:30発)→鶴岡第一ホテル前(6:55着・朝食)―徒歩0,10→富樫絵蝋燭店→鶴岡エスモール―バス・0,40→羽黒センター→五重塔→一の坂→二の坂→三の坂→羽黒山→出羽三山神社「三神合祭殿」→羽黒山境内(土産店・昼食)―「奥の細道」歩道→国民休暇村羽黒(13:40着) 宿泊 (-.-)Zzz )

[感想]
 過去、この時期に何度と無く紅葉の東北山旅シリーズを実施しているが、その都度天候には恵まれており、今年は本当に台風が多く今回の参考も台風22号の影響が、心配され夜行バスの出発駅、渋谷マークシティに着いたときには、かなり強風が吹き雨が降っていた。この渋谷からは、私達夫婦の他、4名が乗り、池袋駅からIさんご夫婦が乗ることになっている。国際興業の夜行高速バスは、一列に3台の座席がそれぞれ独立し、設置されているので窮屈な思いもせずに快適に座り眠って行くことが出来長い時間だけにこれは本当に助かる。バスは池袋に着きここでIさん達他、多くの乗客が乗り込みこれから本格的に一路、雨の中を鶴岡目指して走り進む。懸念されている台風は私達を追いかけて来るようであるが、天候のことを心配しても仕方がないので、悪天候の時はその時で、温泉三昧で酒でも飲めばよいと、後は天にまかせ三日間の山旅を楽しむことにした。

 眠い目をこするとバスのカーテン越しに明るくなり、程なくバスは鶴岡第一ホテルの前に到着するとのこと、窓外を見るとそんなに激しくはないものの雨は間断なく降っており、これからの山行が台風の影響を受けずどうか無事に出来るようにと祈るばかりである。第一ホテルのロビーにて、各、思い思いの朝食をとり、私とGさんは、気付け薬に缶ビールをしっかりと頂き今日の最初の目的地、雨の鶴岡の町を富樫絵蝋燭店へ行くことにした。この富樫絵蝋燭店は、鶴岡では有名で、太い蝋燭や細い蝋燭に美人画や色鮮やかな模様を描き出しており、当に伝統芸術の粋を見せている。計画では鶴岡城址公園を見ることになっているが、雨が降っているので、そこはパスし、羽黒山に向かうことにした。

 羽黒山の大鳥居をくぐり、細かく刻まれた下に向かう階段を降りて行く。幸にも雨は小降りになっており、そんなに気にならずに歩けるのでこれは助かる。 長い階段を降りて行くとやがて歴史を感じさせる五重塔が見えてきた。これは何でも平将門が建立したとかで、当たりの大杉ととてもマッチして雨に濡れ荘厳な重厚を見せ堂々と建っている。

 そんな歴史のある五重塔を後にし、杉並木をこれから細かい階段を一の坂、二の坂、三の坂と羽黒山神社を目指し歩いて行く。両側の大杉は、どれも真っ直ぐに幹を空に向かって伸ばし、互いに「俺の方が高いだろう。」と背比べをしているように立っている。そんな杉並木を汗をかきながら細かい階段を上って行く。階段も今日に至るまで何万、何百万の人が歩いたのだろう。真ん中がその為に窪んでいる。これぞ当に歴史を感じさせるものだ。

 何しろ階段が長いために自然と前後で四人一組が分かれてしまい、先方の四人は、ドンドンと登って行ってしまった。私達四人は丁度階段の真ん中に茶店があったので、これ幸に休憩をして行くこととした。久しぶりにお抹茶を頂きその渋味で疲れも取れるような気がし、風雅のわび、さびを感じ何時までも雨に煙った杉並木を眺めていたい心境であった。

 そんな抹茶を頂き、リフレッシュしたので足取りも軽やかにようやく2446段の階段を上り詰め修復をしている羽黒山神社にお参りをし、8人一緒になり愛想の良いお土産屋でビールと共に蕎麦やうどんの昼食を取ってから、奥の細道と言われる苔むした滑る参道を下り羽黒山ビジターセンターに着き、ここで出羽三山の模型を視障者は、触ったり、月山の万年雪がある部屋に行き直接その行きを触ったり、また、鳥の名前が書いてあるボタンを押すと林に見立てた展示場の木々からそれぞれの野鳥の声がし、これは私達視障者には大いに有意義なものであった。

 そんなビジターセンターを後にして、今日のお宿「羽黒山休暇村」に着いて、早速みんな風呂に行くこととした。ここは温泉ではないのが残念ではあるが、温かい風呂は実に気持ちが良く、夜行で来ただけに疲れもあり、そんな疲れが温まることで解消でき誠に有りがたいことだ。湯上がりにはこれはもう、お決まりのノミタイムである。今回のメンバーは、男性一人を覗いては、Gさんを先頭に酒の国から酒を広めに来たような猛者連である。マア、類は類を呼ぶとかで、そんな酒好きが私の仲間であるのだからこれもまた、仕方がないのであるが・・・!!!Gさんが「焼酎にビールを入れて飲むとうまいんだ。」と言うので、みんなその焼酎のビールわりを飲んだので、ご機嫌麗しくなり、話に花が咲き当に至福の一時である。

 そんな良い気持ちになっていたら夕食の時間となり、豪華なご馳走を頂き、ここでもまた、ビールを大いに飲んで笑み満面、みんな良い顔をしている。天気予報によると明日は、幸にも台風の影響もないとのことで、明日からの月山〜湯殿山そして蔵王の山旅が楽しみである。
 こうして笑顔のうちに出羽三山の山旅の第一屋が暮れようとしている。

 10/10(日)

【行程】
 国民休暇村羽黒(8:30発)―タクシー→月山八合目(9:06着:9:15発)―徒歩→一本目の休憩(10:05着)→仏生池小屋(11:12着・11:35発)→月山山頂(12:20着)→牛首(13:30)→装束場(15:22着)→仙人沢駐車場(16:45着)―マイカー→蔵王温泉・竜山荘(18:30着) 
宿泊 (-.-)Zzz 

[感想]
 早朝、朝風呂に入り窓外を見ると雨は降っていないもののかなりの強風が吹いている。幸にも台風は温帯低気圧となり、こちらには来ずに衰退をしたようで、これからの山行には何よりの天候である。少々風が強いのは、我慢が出来るが山の中での雨には本当に閉口する。一同朝食を済ませタクシーで、一路月山八合目に向かう。タクシーの運転手も「マア、この様子だと雨は対したことはないだろうが、風がかなり強いのではないだろうか。」と言っていた。空も鉛色ではあるが、雨は大丈夫なようなので一安心・・・!!!

 一同、月山八合目で、登山の身支度をしっかりと整えこれから、月山〜湯殿山と出羽二山の縦走の始まりである。心配された風も意外と対したこともなく、ちゃんと点の神様も私達に気を使ってくれているのであろう。うねうねとした草紅葉の登山道をみんな意気揚々に登って行く。昔の人は月山に登るのも一合目から登ってきたのであるが、我々現代人は文明の温点を受け八合目からの登山であるから楽なものである。登りもそんなに辛くなく、途中で一本立て、仏生池小屋に到着した。この小屋の前に小さな池塘の仏生池があり小屋の名前もその池の名前を取って付けたのであろう。この先何時雨が降ってくるかも知れないので、早めではあるがここで昼食を取ることとした。

 一同、昼食を取り小雨も降ってきて、寒いので雨具を着て山頂目指し更に歩を進め
て行く。どうにか大雨にならずこのまま下山までお天気も持ってくれると良いのだが、こればかりは、どうなるか当に運を天に任すしかないだろう。そんなに高度差も無い登山道を登り切りやがて月山山頂に到達した。ここには小さな月山神社が鎮座しており、手を合わし、健康とこれからの登山の無事を祈る。山頂には大きな小屋があり、シーズンにはきっと解放し、休めるのであろうが、現在はしっかりと扉を閉めている。何しろ寒いので山頂も早々に後にして、湯殿山目指し歩を進めて行くが、下山予定の時間には大幅に遅れているので、Gさんの友達に湯殿山の駐車場までマイカーで迎えに来て貰うことにした。山でも幸に携帯電話が使えるので、こんな急変したときにも連絡が付くので本当に助かる。ガイドブックの歩行時間を計算し、計画を立てたのだがこれが少々甘かった感がある。登山道は信仰のお山だけに石畳が敷き詰められて歩きよく、その為ガンガンと下ることが出来た。下りがこんなに快適なので下りの苦手な私にはこれは実に助かる。この考えがもう少し行くと甘かったことになるのだが・・・!!!

 こんもりとした湯殿山を左に見て、小沢を何度となく渡り最後の小屋場、装束場にようやく辿り着いた。ここで水分や飴などを補給し、後、一踏ん張り、下山を開始する。歩き始めて程なく登山道は急傾斜となり、かなりの勾配となり、岩も多くなりその岩が苔で滑るので歩くのにも緊張をする。そんな登山道を進んで行くと、何と今度は、垂直の岩壁となり、その岩壁に狭い鉄梯子が長々と取り付けてある箇所に出た。ここでGさんのサポートを和美にチェンジして、その鉄梯子を後ろ向きにて降りて行く。その鉄梯子の長いこと。垂直の岩壁をその鉄梯子を頼りに慎重に降りて行く。長い鉄梯子をおりきると今度は、急下降の沢となっており、その沢の岩が苔でヌルヌルと滑るので、持つストックにも自然と力が入る。和美も道を間違えたのではないかと心配になり、一足先に降りて道を確認したが、確かにこの道が下山道になっており、安心をして慎重に降りて行く。

 やがてそんな急下降の沢も終わりとなり、平坦な道に出た。全く最後にこんなものすごい急下降が待っているとは思いもよらなかったので、みんな平坦な所に来たときにはほっとして顔の筋肉も自然と緩んできた。途中に滾々と清水が湧いており、みんな緊張をした後だけにそのおいしい湧き水を何杯も飲んで、改めてその急下降のすごかったことを思い出しているようである。駐車場に来ると丁度運良く村営のバスが止まっていたので、それに乗って下の一般駐車場に着いた。下の駐車場には、既に大分前からGさんの友人、Tさんが奥様や子供達とマイカー2台で待機していてくれた。Tさんにマイカーで迎えに来てもらはなかったら、今日の宿泊地、蔵王温泉には、かなり遅くなってしまったので、このマイカーの出迎えには、感謝、感激の一言である。Tさんには、何年前になるだろうか。朝日連峰の縦走の時にAさんが狐穴小屋でギックリ腰になり、麓の民宿にやっとたどり着き、翌日はTさんに山形までマイカーで送ってもらったことがあるが、今回は二回目のお世話になり、蔵王温泉、竜山荘まで送ってもらった。

 いつも宿に着くと先ずは先に風呂に入るのだが、今日は時間も遅いので夕食を先し、お決まりのビールを飲みながら盛りだくさんの料理を端からたいらげ混濁をした本物の温泉には入り、それから部屋でまた、アルコールを飲みすっかりと良い気持ちになり眠りに着いた。


 10/11(月)

【行程】
 竜山荘(8:20)→中央ロープウェイ「温泉駅」(8:40発)→鳥兜ロープウェイ駅―徒歩→登山口(9:30)→地蔵岳(10:20)→熊野岳(11:30)→刈田岳(12:10着・13:30発)―バス→白石蔵王駅(15:10着・昼食17:46発)―新幹線→東京(19:06着)

[感想]
 今日は早いもので、出羽三山&蔵王、東北山旅の最後の日である。お天気も曇ってはいるが、雨も降っておらず山行には支障がないであろう。先ずは昨日しっかりと歩いたので、今日はロープウェイに乗って行くこととした。中央ロープウェイ駅に着くと蔵王は観光地だけに観光客が結構来ており、賑わっている。つかの間の空中散歩を楽しみやがてロープウェイは鳥兜山の山上の駅に到着した。そこで雨が降っていたので一同雨具を着け蔵王の山へ第一歩を踏み出した。広い平坦な道を進みやがて広々とした坂道を地蔵岳目指し歩いて行く。ここは登山道と言うよりは、冬はスキー場にでもなるのであろうか。広い坂道となっており、それが進むに連れて傾斜が増してき、昨日の疲れも残っているのでその急登が堪える。しかし、このメンバーではNさんが一番年長なのだが、先頭を切ってドンドンと登って行くではないか。本当に体力があり、元気があって若々しい者だ。私はNさんの年までこんな元気で歩けるだろうかと不安になる。それにしてもきつい登りである。アキレス腱が登るたびにぴーんと張って痛くなってくる。そんな急登の坂も40分も歩いただろうか。汗もビッショリとかいた頃にようやく山頂の広場に着いた。ここには地蔵岳ということで、大きな地蔵さんが鎮座しており、何だか「オウ、皆さん、良く登ってきましたね。ご苦労様。」と微笑んでいるかのように私たちを迎えてくれた。ここで大休止を取り蔵王で一番高い山、熊野岳目指し歩いて行く。吹く風も冷たく気持ちよく途中は砂礫混と溶岩がゴロゴロとしているが、登山道は整備されており快適に歩くことが出来る。

 程なく熊野岳神社に着きそこで参拝を済ませ、平坦な熊野岳山頂に到着した。ここで小休止をし、反対側にある刈田岳の駐車場に向かう。左にはエメラルドグリーンのおかまが綺麗に見えている。一昨年に吾妻連峰の縦走をしたときに一切経山から見た五色沼は真っ青なエメラルドブルーであったが、こちらのおかまはエメラルドグリーンに輝いていて、同じ火山の山でもこうして違いがあるのに改めて自然の驚異を感じた。ここら当たりは観光客が多くレストハウスに近くなるに連れ賑やかとなり、やがてそのレストハウスに到着した。これでもう歩かなくても良いとなると心は一つ、渇いた喉にビールを飲ませないと喉が催促するので、Gさんと賑やかな休憩場にてビールを飲んでこの出羽三山の山旅を改めて思い出し、歩くことの素晴らしさ、健康に感謝しまた、来年の山行に思いを馳せほろ酔い気分で、白石蔵王駅行きのバスに乗り込む。

 白石蔵王駅前は渙散としており、食道も見あたらないので新幹線の出発の時間には、まだ大分間があるので、そこでタクシーに乗り名物の温麺(ううめん)を食べに行くこととした。着いた温麺の食事処は、本当に温麺専門店で後は何もなくアルコール類もビールだけで、地酒でも飲みながら時間をつぶそうと期待をしていたのだが、そんな夢もはかなく消えて温麺をただひたすら食べてまた、タクシーで白石蔵王駅に着き、お土産などを買ってやがて新幹線に乗り東京へと向かった。
              オシマイ

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出羽三山
山形県のほぼ中央部、出羽山地の南端部を占める月山(1984m)、湯殿山(1500m)、羽黒山(414m)の総称。古くから修験道の霊山として知られ、磐梯朝日国立公園に属する。高山植物も豊富でクロユリの群落もある。
 三山信仰は鎌倉時代の山岳修験にはじまり、江戸時代には三山参りが盛んになった。月山には月山神社、湯殿山には湯殿山神社、羽黒山には出羽(いでは)神社と3つの神社をあわせた出羽三山神社があり、羽黒山上で3社の祭祀(さいし)がおこなわれている。

 月山
南東にある山。標高1984m。羽黒山・湯殿山とともに出羽三山とよばれ、修験道(しゅげんどう)の山であり、古くから信仰をあつめてきた。穏やかな山稜が牛のねた形に似ていることから、臥牛山、犂牛(くろうし)山ともよばれる。
日本ではめずらしいアスピーテ式火山であり、西側には爆裂火口がある。地質は花崗岩と第三紀層からなる。
 気候と植生
 弥陀ヶ原 月山は、高山植物の群生地として広く知られる。とくに、八合目付近の弥陀ヶ原が有名で、「いろは四十八沼」と称される湿原には、7月中旬〜8月中旬ともなると、クロユリ、ニッコウキスゲ、ミズバショウなどのみごとな群生をみることができる。
 冬季には日本海からの北西の季節風をうけて多量の雪がふり、東側には大雪城(おおゆきじろ)とよばれる越年雪がみられる。亜高山帯からの山腹では、ブナの原生林が発達している。また、クロユリ、ヒナウスユキソウ、チングルマ、ヒナザクラなどの高山植物も豊富にみられる。弥陀ヶ原(みだがはら)、念仏ヶ原の湿原は月山における高山植物の二大群生地である。

湯殿山
 仙人岳とも称され、標高は1500m。月山・鳥海火山帯に属する古い火山で、地質はおもに安山岩からなる。月山、羽黒山とあわせて出羽三山を構成し、古くから修験道の霊山として信仰をあつめてきた。
 信仰
 戦国末期、葉山にかわって出羽三山にくわえられ、三山をめぐる参拝の際、最後に礼拝する山であることから奥の院といわれてきた。北麓(ほくろく)の仙人沢にある湯殿山神社は社殿がなく、熱湯の湧出する霊泉の沈殿物におおわれた輝石安山岩の巨岩(温泉塔)を御神体とし、とくに農業に関する神として信仰されている。湯殿山は俗界とはことなり、生身の人間が生きながら即身成仏(じょうぶつ)する場所とされ、真言密教系の僧侶のミイラが複数体のこる。また、御神体については「語るなかれ、聞くなかれ」と口外禁止をいましめられてきた霊域で、この地をおとずれた松尾芭蕉は「語られぬ湯殿にぬらす袂(たもと)かな」の句をよんだ。

羽黒山
 山形県北西部、月山の北方約18kmにある山。標高414m。第三紀の堆積岩からなる丘陵性の山で、最上川の支流である立矢沢川と祓(はらい)川によって東西を浸食された細長い地塊となっている。月山、湯殿山とあわせて出羽三山をなし、古くから修験道の霊場としてさかえてきた。
 信仰
伝承では崇峻天皇の子の蜂子(はちこ)皇子が開山し、のちに役行者が中興したといわれ、山名も皇子を山に案内した3本足のカラスの羽の色に由来するとされる。山頂には出羽(いでは)神社の本殿をかねる出羽三山神社の三神合祭殿が鎮座するが、これは月山と湯殿山が冬季の積雪により登拝が困難となるためで、もっとも標高の低い羽黒山が羽黒修験の本拠地としてにぎわった。三山の中で唯一女性の参拝がゆるされた山としても知られる。山内にある国宝の五重塔、重要文化財の梵鐘(ぼんしょう)などが神仏習合の歴史を今につたえ、山麓(さんろく)の手向(とうげ)地区は門前町として発展した。
 観光
羽黒山のスギ並木 羽黒山麓(ふもと)の随神門から山頂まで、全長1.7kmにおよぶ出羽三山神社の表参道がつづく。参道の両側には樹齢300〜500年のスギの巨木が約600本ならび、樹勢が旺盛なスギ並木として1955年(昭和30)国の特別天然記念物に指定された。
手向から頂上まで羽黒山有料道路が通じ、JR羽越本線鶴岡駅からバスも運行している。麓(ふもと)の随神門からは2446段の石段がつづく表参道(全長1.7km)がのび、国の特別天然記念物のスギ並木となる。神社前の出羽三山歴史博物館には信仰に関する史料や宝物、境内の池からみつかった多数の銅鏡などが展示される。磐梯朝日国立公園域にふくまれ、山頂からのぞむ西の庄内平野、北の鳥海山がうつくしい。周辺には羽黒山スキー場やキャンプ場、国民休暇村、ビジターセンターなどがある。

蔵王山
 山形県と宮城県にまたがる奥羽山脈南部に位置する火山群。最高峰の熊野(くまの)岳は標高1841m。一般に蔵王連峰とよばれる。蔵王エコーラインを境にして、北蔵王と南蔵王にわけられるが、蔵王といった場合、北蔵王をさすことが多い。
 御釜 日に何度か湖水の色をかえるので、五色沼ともよばれる。熊野岳、刈田岳、馬の背、屏風岳などにかこまれた火口湖で、酸性が強いため、魚などの生物はいない。
 地形と火山活動
北蔵王は熊野岳、刈田(かった)岳(1758m)、馬の背、名号峰(1491m)が外輪山をなし、その中に火口湖「御釜(おかま)」と中央火口丘の五色岳(1674m)がある。現在の蔵王温泉(旧高湯)の温泉街は、浸食のすすんだ火口の上にある。これらの地域では古くから火山活動が活発で、最古の記録は844年(承和11)で、以後噴火をくりかえしている。
 植生
 熊野岳や刈田岳の山頂付近は植生が貧弱で、コマクサ、コケモモなどの高山植物がみられるにすぎない。これに対して、比較的古い火山活動でできた地蔵山(1760m)と三宝荒神山(1683m)には、アオモリトドマツ、ヒメコマツなどの森林が発達している。
 歴史と観光
 熊野岳には蔵王山神社、刈田岳には刈田嶺(かむたみね)神社があり、信仰の山としてひろく知られていた。また「西のおやま」とよばれた出羽(でわ)三山に対して、「東のおやま」とよばれ、女人禁制の修験(しゅげん)の場でもあった。現在は蔵王エコーラインやロープウェーの開通で、容易に登山できる山になり、御釜を中心とした多様な火山地形とコマクサなどの高山植物が観光資源となっている。積雪が多く雪質もよいことから、各地にスキー場があり、地蔵山と三宝荒神山の山頂にいたるロープウェーの周辺には、アオモリトドマツの樹氷原から山麓(さんろく)の温泉街まで、広大なゲレンデがひろがっている。
 1950年(昭和25)日本観光地百選の山岳部門の1位になり、63年には蔵王国定公園の指定をうけた。山麓の上山市出身の斎藤茂吉は蔵王を「父なる蔵王」と愛し、「みちのくに生れしわれは親しみぬ蔵王のやま鳥海のやま」とよんでいる。









































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